苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

電力はほんとうに不足しているのか?

 今、長男は信州宣教区の主にある兄弟たちと岩手の被災地のボランティアに出かけています。大津波があった釜石で、1階の天井まで浸水した会堂の2階に泊まるというので、余震による津波にも十分注意してほしいと願って、口うるさく携帯にメールを送りました。「明治の三陸沖大津波は陸地はわずか震度3にすぎなかったんだよ。それでも釜石では波高は17.7メートル。」などと。震災で携帯も通じたり通じなかったりですが。一応いざとなれば逃げて登る30メートルほどの丘が会堂の横にあるそうです。
 読者にも、信州宣教区ボランティアのために祈っていただけるとありがたいです。自分が被災地に出かけた時より息子を送り出すほうがひやひやするものですね、親というのは。さて、今日は電力の話題。

1.「電力不足のウソ」?
 「電力不足のウソ」という記事を見つけた。東京電力がかかえるすべての発電所の能力、協力発電所の能力などすべてを調べ上げ、積算したものである。算数の苦手な筆者でも、足し算と引き算だけの話なので、よくわかる。筆者は大雑把な性格なので、途中をカットして結論だけ引用すると・・・

 東電総発電量     50,029,542 kW
 最大電力需要が    41,000,000 kW・・3月計画節電時の想定ピーク値

 つまり発電可能総量は予想需要よりも9,000,000 kW もの余裕がある。さらに休ませている3つのものや、他の会社からの協力を含めたら総発電能力は53,629,542 kW ・・・あれ、こんなに余裕がある。では、なぜ計画停電するのだろう? 大雑把じゃなくて、詳細を知りたい方はこちら⇒
http://blogs.yahoo.co.jp/semidalion/44831507.html

 
2.奇妙な電気事業法
 そもそも、原発は消費者のためにあるのではなく、電力会社のためにあります。電気事業法という奇妙な法律のゆえに、電力会社は高価な原発を新設し続けることでもうけを維持することができる仕組みになっているからです。電気事業法によれば、電力量収入の計算式は下記のとおりです。

電力料金収入=原価+原価×4・4%
(ただし、原価=発電所・送電設備建設費・保守管理費・燃料費・運転費用・営業費用の合計)

 変な法律でしょう。普通は商売は、安く作って高く売りたいものです。でも、この法律では、高く作って高く売りたくなります。原価が高ければ高いほど電力量収入が多くなるからです。
 どうしたら原価を高くできるか?減価償却が済んだ火力発電所は休ませて、4000億円の高価な原発を新設することです。事実、電力会社は火力発電所の50パーセント遊ばせています。だから、福島の第一と第二が停まった今だって火力でバックアップしているので停電しないのです。また原価を上げるにはじゃんじゃんコマーシャルをして、営業費用を使うことです。電力会社なんて競合するもののいない独占企業なんですから、本来あんなにコマーシャルに費用を使う必要はないはずです。でも、実は原価を高く維持するために、じゃんじゃん宣伝しています。それに「反原発は頭の悪い連中の理想論にすぎない」「原発がないと、電力会社は、いや間違えた、わが国はやっていけない。」「原発は要らないというのは左翼だ。非国民だ。」「原発要らないというやつは知性がない」「脱原発なんていうのは非常識だ。恥ずかしい。」と国民に思いこませる必要もありますから。さすがに「原発はクリーンエネルギー。火力はCO2が出る。」だというのは、あまりにも見え透いたウソなのでNGが出されましたが。CO2と放射能といえば、だれが考えたって放射能のほうが不潔で危険ですから。
 とにかく、脱原発の鍵の一つは、電気事業法の改正です。この電気事業法を変えれば、電力会社は高価な原発建設も無駄なコマーシャルもやめて、安い設備で電力をつくるように努力するでしょう。電力料金も安くなります。そうしたら、電力会社はお荷物の原発は要らないというでしょう。あんなもの建てるのはもちろん、維持するだけでもたいへんですから。今回のような事故を起こしたら、補償問題で倒れてしまいます。電力事業法を改正すれば、安全な日本の明日が少し見えてきます。


脱原発で救国−−省エネ技術で原発無用

クリック⇒http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20110320/p2

浜岡原発震災を防ぐ全国署名にご協力を!

クリック⇒http://www.geocities.co.jp/genpatusinsai/

 左の真ん中あたりに署名用紙ダウンロードあり。