苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

日本にジャーナリズムはない

 神保哲生氏が言う、「日本にはジャーナリズムはない。あるのは政府の広報機関だけである。そもそもジャーナリズムというものは欧米では政府・官僚へのチェック機関である。しかし、日本の大新聞・テレビは単に霞ヶ関の役所の記者クラブに出勤して、担当官僚からレクチャーを受けて、味付けして作文して書いているだけであるから、政府の広報誌にすぎない。 欧米のジャーナリストにとって『現場』とは事件の起こったその場であるが、日本の新聞・テレビ局にとっての『現場』は、役所の記者クラブなのだ。」
http://www.youtube.com/watch?v=NcHZ4NZZeiY&feature=related
 日本にはマスメディアはあるが、ジャーナリズムは存在しないという事実を、私たちは昨年311の原発破綻後のマスメディアの「大本営発表」状態から知ることになった。しかも、読売がまた性懲りもなく大本営発表をしている。

夏の電力、原発次第…再稼働なければ不足も

読売新聞 3月12日(月)9時53分配信

 国内54基の原子力発電所のうち、定期検査後に再稼働できないなどで、現在稼働しているのは2基だけだ。

 読売の記事の正しい読み方は、記事の最後に「・・・と経団連電事連電気事業連合会)と癒着した経済産業省の官僚から、記者クラブでレクチャーを受けてきましたので、ここに報告します。」と付け加えて読むことである。ジャーナリストなら、経済産業省官僚の説明が事実なのかどうか裏を取るだろう。裏を取れば、これは嘘だとわかるはずだ。実際には、電力会社の火力・水力で十分足りているし、それどころか、全国の一般企業の自家発電の設備容量を合計しただけで、日本の電力需要全体を超えているといった情報は、すでに多くの国民に知られているから、「また政府と新聞は嘘を言っている」と判断するだけだろう。
 政府の広報誌にすぎないなら、新聞などわざわざお金を出して読む人はますますいなくなるだろう。筆者はもう十年以上、日刊新聞をとっていない。原発が環境によい発電方法だと思ったことが、ただの一度もなかったのは、そのおかげかもしれない。