苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ヨハネの手紙第一の末尾

「5:18すべて神から生れた者は罪を犯さないことを、わたしたちは知っている。神から生れたかたが彼を守っていて下さるので、悪しき者が手を触れるようなことはない。 5:19また、わたしたちは神から出た者であり、全世界は悪しき者の配下にあることを、知っている。 5:20さらに、神の子がきて、真実なかたを知る知力をわたしたちに授けて下さったことも、知っている。そして、わたしたちは、真実なかたにおり、御子イエス・キリストにおるのである。このかたは真実な神であり、永遠のいのちである。 5:21子たちよ。気をつけて、偶像を避けなさい。」(1ヨハネ5:18-21)

 ヨハネの手紙第一の結びの箇所である。むずかしいのは、5章21節に一見すると唐突に「偶像を避けなさい」で結ばれていることである。なぜ最後に「偶像を避けなさい」と出て来るのか。ずっとなんでだろうと考えて来たのだが、ふいに答えを見つけた気がするので、忘れないため、ここにメモしておく。
 「偶像を避けなさい」という結論に向けて18節以降のことが語られているとみるべきだろう。そう見るならば、すんなりと理解できる。
 つまり、まず「すべて神から生れた者は罪を犯さない」というが、ここではキリスト者偶像崇拝をしないということを意味であると考える。ここでいう「罪」は、先立つ16,17節の「赦されない罪」を指しているが、キリストにあって赦されない罪がない以上、それは結局のところ背教つまりキリストを捨て真の神を捨てること、つまり偶像の神々のもとに戻っていくを指すと解される。
 キリスト者は神から出たものであるが、偶像の神々を拝んでいるこの世の人々は悪しき者の支配下にあるので、真の神がわからない。他方、キリスト者は、神の御子イエスが来て真の神を教えてくださったので真の神を知っている。そして、キリスト者は御子の中にあるからである。・・・だから、兄弟たちよ。偶像を避けなさい。