苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

国葬の件

 安倍元首相が銃撃、殺害されてしまいました。奥さんの昭恵さんにはお気の毒なことです。理由は安倍氏が元統一協会の広告塔になっていたので、元統一協会に人生を無茶苦茶にされた犯人からの恨みを買ったとのことです。統一協会に人生を破壊された人を、私も二人知っていて、一人は自殺したので、なんであんな団体の広告塔めいたことをしていたのだろうかと思いますが、おじいさんの岸信介氏からの縁のようです。

 時の勢いなのか、自民党統一協会との癒着の事実を隠したいからなのか、岸田さんが安倍派のご機嫌をとるためなのか、本当の理由はよくわかりませんが、「国葬」にすると言い、それに対して市民団体が、国葬を実施することの閣議決定と、その予算執行の差し止めを求めて、東京地裁に仮処分を申し立てたと報道されています

 日韓基本条約沖縄返還非核三原則提唱をして、ノーベル平和賞受賞した佐藤栄作首相が亡くなったとき、国葬をという話が盛り上がったことがありましたが、「法的根拠がない」ということで取りやめになりました。安倍首相が好きだ嫌いだとか、その功罪がどうだとかいう以前のこととして、<国会が法を立て、政府はその法の下で仕事をし、最高裁はそれを審査する>というのが、この国の三権分立の仕組みですから、法的根拠のないことを、政府が国会を無視して、その時の勢いとか党の都合で実施してしまったら、この国の仕組みが壊れてしまいます。どういう市民団体か知りませんが、彼らが閣議決定とその予算執行の差し止めを求めたのは、理にかなったことです。

 法の番人、東京地裁は、ちゃんと対応するでしょうか。それとも「高度の政治的判断」という逃げ口上で、法の番人の務めを放棄するのでしょうか。

 

<追記>

 安倍さんが岸田さんがいうように、民主主義を擁護し、日本経済を立て直した功労者だったのか(私たちの経済生活は豊かになったのか)、国会がしっかり検証して、法律を作るなり、決議取るなりして、ことを進めるのが正しい道だと思います。
 かつては、政府が法的根拠のないこと、あるいは法的根拠の薄いことを進めようとするときには、内閣法制局がNOを出す役割を持っていました。でも、安倍さんが内閣法制局の人事に手を突っ込んで、法制局を政府に都合よくお墨付きを与える機関に変質させて以来、機能しなくなっています。