苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「すべての国民」でなく「すべての民族」

新改訳2017 マタイ24:14

御国のこの福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての民族に(pasin tois ethnesin)証しされ、それから終わりが来ます。

新改訳2017 マタイ28:19

ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を(panta ta ethne)弟子としなさい。

 2017訳は、かつて新改訳聖書第三版がマタイ24:14で「すべての国民に」と訳していたのを改めて、「すべての民族に」とした。国という行政単位の中には、複数の民族が存在しているのが普通であり、その中の一部の民族に福音があかしされればよいわけではないから、「すべての民族に」と訳を改めたのは正解である。

 それにもかかわらず、マタイ28:19では、第三版のまま「あらゆる国の人々を」としているのは、残念である。宣教にかかわる類似の文脈であるから、ここも当然「すべての民族を」と訳されるべきところである。