苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

経済政策は失敗でしょう

 下のグラフのように、1997年から2017年、世界各国では時給は増加し、実質賃金も増加している中で、我が国は、こんな風に時給は下がり、実質賃金も1割下がっているのだそうです。名目上数字の上で賃金が上がっていても、物価や税金がもっと上がっていたら、実質的に下がったことになります。庶民の生活の実情を知るには、実質賃金で見なければいけないわけです。今の政府は、そういうことに無関心なようですが。

 ただ巷にあまり不満の声が上がらない一つの理由は、失業率が現在低いからでしょう。しかし、失業率が低いのは、団塊の世代が退職して、少子化の波が押し寄せたからであって、アベノミクスの成果ではありません。

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 私は経済のことはよくわかりませんが、新聞やニュースやネットを見る限り、下に書いたような状況のようです。

 政府は、大企業を優遇して法人税をなるべく取らないようにして、経済活動をしやすいようにして、消費税を広く取ることでその穴埋めをしようとした。ところが、大企業は下請けや労働者に払うべき十分な労働の対価を支払わず、かといって、設備投資や技術開発に大胆な投資をするでもなく、税金すら払わず、ただただ国際競争力を維持しなくちゃとか言ってケイマン諸島みたいなろことに内部留保しているというやる気のなさです。そのために、庶民の実質賃金もバイト代も下がっていくのですから、国内需要は冷え込むのはあたりまえのことです。

 このありさまを見ていると、かつてのアメリカの自動車産業のことを思い出します。世界の排ガス規制が厳しくなっていく中で、それに対応するために日本やヨーロッパの自動車メーカーは必死で技術開発を進めていましたが、米国の自動車メーカーは設備投資も技術開発も怠り、政府にロビイングして、米国内の排ガス規制を緩くさせ続けました。その結果、米国の自動車は海外輸出ができなくなり、外国の自動車がどんどん米国に入り込んできて、かつての自動車の都デトロイトは廃墟となりました。今の日本の産業界はかつての米国自動車メーカーと同じ道をたどっているようです。特に、時代遅れの原発産業界に、それは顕著です。世界では再生可能エネルギーの開発が進んで、再生可能エネルギーは安価で安定的に供給できるようになって、原発は最も高くで最も危険なエネルギーとなったのに、なおも原発にしがみつき続けています。それを可能にするために政府・経産省と癒着しています。

 どうすればいいのでしょうか。経済のかじ取り手を、もっと先見の明のある有能で、やる気のない経済界指導者と癒着していない人々に代えなければ、どうにもならないでしょうね。