北海道聖書学院(HBI)の二次の入学試験が昨日ありました。今年入学の本科生は4名で、短期信徒コース2名となります。それから、聴講生がこれから加わります。
本科生は、牧師・宣教師をはじめ伝道職に就くことを目指す人のためのコースで最短3年間で卒業です。聖書神学・組織神学・歴史神学・実践神学四分野にわたって、主の教会に仕えるために必要なスタンダードな学びをすることができます。私の所属する日本同盟基督教団の認定校の一つですから、卒業(3年時の卒業見込みで)補教師試験資格を得ることができます。北海道はJECAの教会が多いのでJECAの教職になる方が多いようです。
特色としては、本科生一学年5人枠の少人数制なので、丁寧に学ぶことができることです。関東にある1クラス20名弱規模の神学教育機関の卒業生で、改めて北海道聖書学院に学んだ方がいます。「十数名もクラスにいるときは、自分一人の質問で授業の進行を妨げることに抵抗感があって質問できないでいましたが、HBIでは少人数なので何でも質問できて、ヘブル語が一番好きな科目になりました。」というのが彼女の感想です。たしかに聖書語学の初学者にとっては、特にこういう環境はありがたいと思います。ちなみにヘブル語、旧約釈義は松元学院長が担当しています。そのお人柄も質問しやすい理由であろうと思います。おっかない天才型の先生の場合には質問しにくいですからね。牧会者である松元先生の深い説教を聴くと私も先生からヘブル語を勉強し直したいと思うほどです。
私が担当している科目は、組織神学と現代神学です。心がけているのは、第一に、神学の目的は神を愛することにあるということを常に忘れないこと。第二に、聖書釈義と教会と教理の史をふまえつつ両科目を学ぶということです。聖書を読む読み方には、木を一本一本吟味して森全体にいたろうとする方法と、森の全体像を鳥瞰しつつ一本一本の木々にいたるという方法がありますが、後者の方法にはその全体像を、歴史的順序で表現する聖書神学(契約神学)と論理的体系で表現する組織神学があります。
そして、私が心がけているもう一つの点は、時代の哲学思想がその後の時代の聖書学や神学に「無自覚的な前提」として影響していることを見極める力を身に着けてほしいと願っていることです。「その後の時代」というのは、神学は保守的傾向があるので時代の哲学の影響をただちには受けないで少し時間差で受け、しかも、自覚していない場合が多いからです。
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