大学の卒論は原稿用紙にペン書きの時代だった。世の中にはワープロというものが出始めたらしいという噂を聞きはしたが、100万円はするというものだった。それが30歳になろうかというころには、私も定価15万円ほどのキャノンのワープロ専用機を、店頭展示品でその半額くらいで手に入れた。そのころから、たくさんの文章を打ってきた。やがてワープロ専用機というものはなくなり、パソコンに代わったが、四十代半ばになると目が痛み始めた。これでは長く仕事ができないと思って、ヤフオクでEIZOのL797「目にやさしいディスプレイ」を手に入れて用いるようになった。色温度のスイッチで青色を下げると目にやさしい。
そして、ここ3・4年ほど前から右手の親指以外の第一関節から始まって、第二、第三関節も痛むようになってきた。当初冬の間だけ痛んでいたのだが、今年は夏でも痛む。これはまずい。そこで「手にやさしいキーボード」を調べて、思い切って手にいれた。FILCOの茶軸というものである。これならば、キーを底まで打たなくても入力できるから、指に対する衝撃が非常に少ないし、打ち損じもほとんどなくなる。うーんと楽。
牧師のPC仕事は、説教原稿その他の文章を書くことと、メールを書くこと、情報をさがすこと程度であるから、PC本体は高度の機能を備えている必要はない。私は少し前までXPを使っていて、サポートが終わったので、やむなくWin7に代えた。だが、ディスプレイとキーボードだけは高くても目と手に負担にならないものを使うべきだと痛み始めてから気が付いた。毎日何時間も使うことを考慮すれば損はない。傷害が出て病院通いをしたら1万、2万などあっという間に飛んでいく。たくさんPCを使う人は、若いうち痛む前にディスプレイとキーボードだけはよいものを使うようにお勧めしたい。
FILCOのキーボードは手を載せる部分がないので、指と手首の保護のために木でパームレストを手に入れようと思ったが、amazonで4000−5000円もするのでびっくりして、自作した。百円ショップの板2枚をボンドで貼りあわせ、かたちを整えてペーパーでつるつるにした。ワンバイフォー材を使えばもっと安上がりだ。
仕上げはニスだと夏場べたつくだろうから、オイルフィニッシュにしようと、台所にあったオリーブオイルを摺りこんだ。ひまわり油かくるみ油のほうが乾性油といって乾きが良いということをあとで知ったが、まあオリーブオイルでもOKかなと。くるみ油は高価だが、ひまわり油は安くスーパー食品コーナーで売っている。余れば食べられるのでむだにならない。
板の種類は高価な広葉樹のほうが組織が密でずっしりしているが、手を載せると冷んやりする。安価な針葉樹のほうは組織がやわらかく空気を多く含んでいるので、手を載せるとあたたかい。私は後者が好み。
<追記>
キーボードについてもうひとつ気づいたこと。私の場合、書き物ばかりでテンキーを使ったことが一度もない。テンキーを使わない人は、テンキーレス・タイプのキーボードのほうが、右肩がこらない。テンキーがあると、マウスを置く位置が右に大きく離れるので肩がこるようである。
<追記2>
オイルフィニッシュについて。
http://ohhashi.net/shop/oiltop3.html
<追記3>
オイルフィニッシュは、薄い塗膜をつくって木を保護するものなので、固まらない油では役に立たないということである。だとしたら、専用のものかひまわりかくるみの油を使うべきですね。
http://www.eonet.ne.jp/~o2factory/oil.html