通読箇所 マタイ17:24-18:14、出エジプト8,9章
「パロは雨と雹と雷がやんだのを見たとき、またも罪を犯し、彼とその家臣たちは強情になった。パロの心はかたくなになり、彼はイスラエル人を行かせなかった。【主】がモーセを通して言われたとおりである。」(出エジプト9:34,35)
主はエジプトのパロに下された「十の災害」の中の一節。カエル、ぶよ、アブ、家畜の疫病、腫物、雹と六番目まで来て、パロは「私はおまえたちを行かせよう。おまえたちは荒野でおまえたちの神、主にいけにえをささげるがよい。」と言ったが、雹がやむと、その舌の根も乾かぬうちに、パロは心を転じた。パロは何度も何度も変心する。
以前に読んだときには、いくらなんでもこれほど愚かな権力者がいるのかと思ったものだが、このところの権力と富をもった人々の動向を見ていると、きわめてリアルなことと感じられる。パロを見ていると行き着くところまで行き着かねばわからない。いや、行き着いてもわからないままに滅びてしまう。パロが滅びるのはやむをえないが、彼のもとに置かれたエジプトの民が気の毒である。
忍耐を要する戦いの中、モーセはなお神のことばを告げ続ける。