苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン2月4日   神の真実

エレミヤ24:6

わたしは、良くするために彼らに目をかけて、彼らをこの国に帰らせ、彼らを建て直し、倒れないように植えて、もう引き抜かない。(新改訳)


わたしは彼らに目をかけてこれを恵み、彼らをこの地に返し、彼らを建てて倒さず、植えて抜かない。 (口語訳)


我彼等に目をかけて之をめぐみ彼らを此地にかへし彼等を建て仆さず植て拔じ (文語訳)


主はこう言われる。彼ら(捕囚の民)に目を留めて恵みを与え、この地に連れ戻す。彼らを建てて、倒さず、植えて、抜くことはない。(新共同訳)


<感想>
 新改訳のみ「良くするために」という語がはいっている。ヘブル語本文ではレトーバーという表現を目的的に訳したもの。他の訳では、「・・・恵み」「・・・めぐみ」「・・・恵みを与え」と結果的に訳している。いずれも可。

 また、新改訳のみ「倒れないように植えて引き抜かない」と、倒れないことを植えることと結んでいるが、他は「建てて倒さず」というふうに倒れないことは建てることと結び付けて訳している。ヘブル語本文では、

建てて       倒さず
ウベニティーム ウェロー エヘロス
植えて       引き抜かず
ウネタティーム ウェロー エトウォース

が対句を成しているから、口語、文語、新共同が正解。


 バビロン捕囚に連れ去れた民を、神が悔い改めに導き、その心を主を求めるものにして、連れ帰ってくださるという約束である。
 この直後にまた、24:7後半に「彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。」と、神の契約の主題文ある。神はひとたびはかたくなな民を捨てたかに見えても、その契約に対する真実のゆえに、必ず回復してくださる。古い契約に対する新しい契約(31:31〜)の輝きがちらりと見え始めた感じ。