野田首相に下のメールを出しました。
宛先 首相官邸http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
野田佳彦首相
日ごろ粉骨砕身のご努力に敬意を表します。
さて、本日、下記の報道にふれました。
「野田首相、冷温停止を宣言へ=「ステップ2」、16日に達成
野田佳彦首相は16日、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第1原発の事故をめぐり、原子炉の冷温停止状態の達成を宣言する。これに先立ち、政府は同日、首相が本部長を務める原子力災害対策本部を開き、原子炉の冷温停止状態が達成できたとして、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」完了を決定する。」(時事通信)
多くの識者が指摘し、広く国民が知るとおり、原子炉の「冷温停止」というのは、ほんらい<原子炉の健全性が保たれていて、原子炉内部の温度が100℃未満になったこと>を意味します。原子炉建屋が吹っ飛んで、燃料がメルトダウンして(東電の苦しい説明とちがって)炉の底から抜け落ちてしまったおかげで炉内の温度が100℃未満に下がったからといって、「冷温停止」などと呼ぶのは誤りです。
首相がなさろうとする「冷温停止宣言」は、あたかも、手術の結果、苦しむ患者が死んでしまったあと、医者が「手術は成功しました。もう苦しんでいません。」と胸を張っているようなものです。
首相がもし「冷温停止宣言」なるものをされれば、「野田首相は、原発再稼動・原発輸出をしたいがために、原発事故を国民の目になるべく小さく見せようと、茶番劇をしている。」と勘ぐられ、政府は国民の信用を失うだけであると思います。
むしろ「事故はなお収束してはおりませんが、一応のもっとも危険な状態からは相当脱することができました。このために現場でいのちを賭して働いて下さってきた、そして、今も働いてくださっている方々に心からの感謝の意を表したいと思います。」と、首相の持ち前の誠実さで表明してくださったほうが、よほど国民の信用を回復することができようかと愚考する次第です。
寒さが厳しくなってまいる折柄、ご健康にはお気をつけて、ご活躍ください。 敬具水草 修治