福島第一原発に作業員として潜入し、取材を行っていたジャーナリストの鈴木智彦氏が、外国特派員協会で会見を開いたその模様がBLOGOSの記事になっていると友人から教わったので、紹介しておく。
やっぱり事故収束宣言ができるような実情ではない。現場の方たちのために、とりなし祈りつづけることが必要である。
http://blogos.com/article/27119/?axis=&p=1
ついでに東京新聞の本日付の記事も追加。
作業員「政府ウソばかり」
「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。
作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。
汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。
ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。
原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。
だから言わんこっちゃない・・・。野田首相。
<追記>
しかし、地元・福島ではこの「事故収束宣言」に強い疑問の声が上がっています。
「収束はしていないでしょう。まだまだこれからですよね」
「冷温停止状態で第2ステップだなんて言ったって、現実に、なんでじゃあ放射能下がらないの」(仮設住宅に避難している人)【福島市では】
「忘れられてしまいますよね。これからもずっと子どもたちのためにも福島のためにも続けてほしいことなので、ここで終わったとは言ってほしくない」
「残念ながら、1号機から4号機まで、炉心、燃料、燃料プールの問題が完全にコントロールされていると言えるのかどうか。完全に収束したと宣言するのはまだまだ早計ではないか」(一部が警戒区域に入っている南相馬市 桜井勝延市長)
また、海外のメディアも今回の「事故収束宣言」について厳しい論調で伝えています。ドイツの公共放送「ZDF」は「冷温停止の発表は日本政府のプロパガンダだ」とする専門家のコメントを紹介し、「溶けた核燃料が今も高い温度を保ち、不安定な状態にある可能性がある」と指摘しています。また、アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」は「安定状態だという日本政府の発表を多くの専門家は疑っており、世論の怒りをなだめるために勝利宣言をしたのではないかと懸念している」と伝えました。
(17日TBS17:32)
<追記2>
「フリージャーナリスト神保哲生が指名された直後、NHKは中継を打ち切りスタジオでの解説を始めた。その放送されなかった部分を字幕付きで編集しました。」とのこと。