苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「健康のため食べ過ぎ、食べ方に注意しましょう」

★農薬漬けアメリカンチェリー
 チェリーは皮をむいて食べるわけには行かないものだけに、この実態を知っては、とても食べる気がしなくなりますね。

 
★農薬プールのバナナ。
 バナナの農薬プールどぶ漬け。これは有名ですね。バナナを食べるときは農薬の沁み込んでいる両端2〜3センチは食べてはいけない、と教わりました。バナナがつるんと黄色いのはおかしくて、本当ならば、もっと黒くなっているはずなんだそうです。

 筆者には有機農業に一生懸命に取り組んでいる尊敬する知り合いが何人かいる。しかしまた、そうした知り合いのなかにも、日本の食糧全部をまかなうほどの有機資材はないのだから、有機農法のみでやっていけないのも事実なのだという冷静な意見を言う人もいる。
 無農薬有機農法を信奉する人々はえてして、「農薬」と聞くだけで、通常の作物の育成期の農薬使用もポストハーベストもいっしょくたにして否定するばあいが多い。だが、実際には、ポストハーベストと慣行農法における農薬使用は全然ちがう。どこがポストハーベストの問題なのか?
 ポストハーベストと言うのは、「収穫後」という意味。収穫後にかけられるのでポストハーベストといわれる。だが、日本では収穫後に農薬をかけることは禁止されている。作物の育成中にかける農薬も農薬取締法で規制がかけられていて、希釈の濃度も決められているので、非常に薄い農薬を何度も散布する手間とコストがかかっている。収穫された作物はサンプリング検査されて、もし残留農薬が見つかったら、共同出荷している野菜はみな出荷停止とされてしまう。だから私の住むあたりでも、農家は出荷前何日間かは、決して農薬散布はしない。
 一方、米国やオーストラリアなどの国々ではこのポストハーベストが許されている。特に、輸出用にはビデオで見るように高濃度で大量に使用される。というのは、小麦、レモン、オレンジ、バナナ、チェリー、ナッツ、ジャガイモ、カボチャなどを船倉に載せて運んでくる途中で虫がわいたりカビが発生したり、あるいは芽を出したりすることを防止するためである。大量の農薬がジャブジャブかけられたり、農薬プールに浸されたり、農薬の粉をまぶされたりする。「薬」ということばにごまかされるのだが、要するにコクゾウを殺す殺虫剤である。その濃度は、作物の育成のときに用いているものの、百倍から数百倍だという。当然、同じ農薬を使っている農作物といっても、農薬の残留量はポストハーベスト作物のほうが多い。
 米国と日本のコメの残留農薬許容量はマラチオンのばあい、80倍ちがう。日本では0.1ppmだが、米国ではその80倍の8ppmである。(ppmとはmg/kg)アメリカ人は米国人とはいっても、それほどコメを食べないからよいかもしれないが、毎日コメを食べる日本人にその基準では困る。
 現在、政府は、国内産の野菜の残留農薬を厳格に取り締まりながら、海外産のポストハーベストは素通りさせるというダブルスタンダードをとっている。だからお母さんたちは輸入野菜は農薬にまみれているという実態をちゃんと認識して、買い物をする必要がある。とはいえ、経済的理由で輸入作物しか食べさせられないという事情もあるだろう。その場合は残留農薬があるのだということを前提として、食べ方と調理法を工夫して毒消しする必要がある。放射能汚染作物のばあいと似ている。それから、健康を望むならば、なるべく、子どもには外食やコンビニ弁当は避けさたほうがよい。コスト削減でしのぎを削っている外食店やコンビニ弁当屋が、よほど良心的でないかぎりは輸入作物に頼っていることは自明のことであろう。

 筆者は放射能汚染野菜もポストハーベスト野菜も、きちんと表示する義務を小売店に課すべきではないかと思うのだ。そうして、「こんなふうにすれば比較的安全に食べられます。」と毒消し法を掲示し、「健康のため食べ過ぎに注意しましょう。」というシールをポストハーベスト野菜には貼り付けるとよいと思う。むかしから、ある種のキノコだとか野草だとか、人間は少々危険なものもいろいろ工夫して食べてきたということもあるし。

 神はまた言われた、「わたしは全地のおもてにある種をもつすべての草と、種のある実を結ぶすべての木とをあなたがたに与える。これはあなたがたの食物となるであろう。また地のすべての獣、空のすべての鳥、地を這うすべてのもの、すなわち命あるものには、食物としてすべての青草を与える」。そのようになった。   (創世記1:29,30)