苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

いったい誰のための教育か?・・・・被曝地域で新学期

 福島第一原発にほど近い地域で、子どもたちの新学期が始まったという報道に接した。校庭にもガイガーカウンターを設置して適宜、校舎にはいらせたりするのだそうだ。
 子どものばあい、格別、甲状腺がん発生の可能性が高いことくらい、文部科学省教育委員会の役人だって知っているだろうに。その役人たちは、そこに自分のかわいい孫がいても、登校させるのだろうか。
 武田邦彦氏が言うべきことを書いていてくださったので、ここに引用しておく。
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http://takedanet.com/2011/04/49_1754.html

原発 緊急情報(49) 新学期・・・人間ができる限度

全国各地で新学期が始まろうとしています。そして放射線の強いところも新学期に入る学校がほとんどのようです。それは、教育委員会が国の判断をそのまま取り入れて「安全だ」としているからです。
でもこの問題は「安全かどうか」ではないのです。
これについてのわたくしの見解をぜひ述べたいと思っています。
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日本の法律では、1時間に0.6マイクロシーベルト外部被曝内部被曝の合計)を越えたら、そこを「管理区域」に設定して、掲示をし、一般の場所と違う取り扱いをします。
つまり、幼稚園、小学校、中学校で1時間の放射線が0.6マイクロシーベルトを超えている場合は、次の標識を学校の門に張ってください。

驚くべきことに学校が管理区域に入っているところが多いのです。
この場合、「安全かどうか」ということは議論するべきではないのです。 法律的にある放射線を越えたら、管理区域にする必要があり、「学校に立ち入るには、本人の同意はもちろん必要ですし、みだりに人を立ち入らせてはいけない」のです。
学者の中には、放射線は害にならないとか、放射線を浴びた方がむしろ健康になるとか、プルトニウムを食べても食塩より完全だという先生がおられるのは事実ですが、それは学説です.学問の自由ですから、何を言ってもかまいません。
しかし、次のことはハッキリしています.
1) 安全かどうかは別にして、1時間に外部被曝内部被曝の合計が0.6マイクロシーベルトを越えたら、標識をつける、
2) 学校にみだりに児童、生徒を立ち入らせてはいけない(もちろん、幼稚園、保育園、高等学校、大学も)、
3) 教育委員会は政府と独立であり、それでこそ児童生徒を守ることができる。
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もう一つの問題を指摘します.
人間は「自分で選択できるもの」はある程度危険なことも許されます。しかし「強制的に全員が行うもの」については、一人残らず、全員が危険を冒すことについて同意する必要があります。
学校では、児童、生徒は先生の命令のままに行動しなければなりません。従って、教育委員会も先生も、管理区域に入るところでは、児童、生徒を強制的に校舎に入れることはできないのです.権限はないのです.
保護者の方も、ご自分でご判断できることではありません。お子さんの健康はお子さんのものであり、お子さんを勝手に管理区域に入れることは保護者でもできないと私は思います。
一体、誰のための教育なのでしょうか。教育は児童、生徒のためであって、教育委員会のためではありません。
人間には、命令できることの限度があります。児童、生徒は「物」でしょうか?
平成23年4月6日 午後6時 執筆)
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東日本大震災:「新学期延期を」 脱原発5団体、県教委に要望書 /福島

 県内の反原発団体や個人でつくる「脱原発福島ネットワーク」など5団体は4日、県教委に対し、東京電力福島第1原発の事故で屋内退避指示が出ている30キロ圏外でも「新学期開始延期を可能にすべきだ」とする緊急要望書を提出した。同ネットは、放射性物質は子どもに影響が大きいことを指摘。屋外での被ばくを避けるためにも、新学期を遅らせるとともに、学校への放射線測定器の配備を求めた。【種市房子】

毎日新聞 2011年4月5日 地方版