「ほんしめじ」というのは、本当のしめじではない。しめじはマツタケと同じく、栽培できないのである。お店でたくさん売っているのは栽培された「ほんしめじ」で、これは「しろたもぎたけ」という別の種なのだから、「しめじもどき」というのが正確なのである。「ほんしめじ」というのは単なる商品名なのだ。味の素が出している「ほんだし」を見て、鰹節の汁の純粋な粉だと思う人は、メーカーが味の素だから、ほとんどいないだろうが、当然、これも商品名にすぎない。「ほんだし」には鰹節も入っているにはいるのだが、アミノ酸調味料や砂糖などいろいろ加えられている。
こんなバカなことが許されていたら、そのうち国語辞書には「『本』というのは『偽りの』『混ぜ物をした』という意味の接頭語である」と書かれることになってしまうであろう。
