病みつつも御手の中なるわが命
もみぢ一葉 梢に残る
今井百合子
札幌の今井百合子姉から、短歌の欄で特選にとっていただいたということで『百万人の福音』3月号が送られてきました。百合子姉はかつて苫小牧の教会のメンバーでしたが、脊椎の病を患われてから札幌の老人療養施設に移られて久しい方です。私がお目にかかったことは一度だけで、あとは折々の電話と手紙でのお交わりです。
電話でおっしゃっていたのですが、コロナが拡大して施設の出入りが制限される中ですが、百合子姉は「皆不自由をかこっているけれども、私はもともと身動き取れないからだなので、さほど不自由を感じないのです。」とのこと。
私はヴィクトール・フランクルが著書『夜と霧』の中で、ナチスの強制収容所の中で生き残った人たちは身体強壮な人々ではなく、魂に自由と希望をもった人たちだったということを書いていることを思い出して、そのことをお話しすると、「私の信仰は小さなものですが、短歌を作り続けているのは、感謝と信仰があるからです。」とおっしゃいました。
ちなみに、短歌の最終行、「一葉」は「いちよう」と読みます。今回の一首、二行目は「梢に残る もみぢ一葉」のほうがいいかなあと、だいぶ迷われたそうです。