朝岡勝牧師の『喜びの知らせー説教による教理入門』を読みました。十五回のシリーズ説教が原型だということですから、そこに会衆を意識して語られたことばとしてのいのちがあります。
特徴の一つは、神の民、教会を最初から最後まで意識して語られた教理説教集であるということでしょう。教会論は著者の生涯のテーマです。
私が特に共感を覚えたのは、あとがきに書かれた「十字架のことばの愚かさ」に徹するという点です。キリスト者の社会的責任とか文化命令とか包括的福音理解とかいうことの重要性は重々承知しながらも、反面、人間の罪の現実とキリストの十字架と復活が軽んじられる傾向があることへの危機意識ということです。先の東日本大震災に誰よりも精力的に奉仕した著者が、このように書かれたことに重みがあります。
こちらもぜひ読んでください。胸打たれます。