苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

手を清潔にー新型コロナ騒ぎについての感想  

 筆者は、新型コロナウィルスの過熱報道は危険であると考える。少し頭を冷やした方がいいのではないかと感じているのが正直なところである。医者ではないが、単なる個人的感想を述べてみる。

 

1.普通の風邪もコロナウィルスによる

 新型コロナウィルスという聞きなれない名前だけれど、ふつうに私たちがひくカゼもライノウィルス、コロナウィルスなどによる。「新型コロナは治療薬がないから大変だ」というけれど、そもそもカゼには治療薬はないのだ。ただ睡眠とか解熱とか頭痛止めとか喉の痛み止めとかで症状を抑えながら、体力勝負をするのがカゼへの対処である。発熱は白血球が戦っている結果であるから、解熱剤をしすぎるとカゼは長引く。いろんな風邪の中で、新型コロナが厄介なのは、ほかのカゼよりもいささか肺炎になりやすい点であることのようである。

 

2.ほかのウィルス感染の致死率と比較すると・・・

 とはいっても、新型コロナによる致死率は、パニックが起こり医療体制が崩壊した武漢のある中国では2パーセントであるが、中国以外では、約0.2パーセントとのこと。ちなみにエボラ出血熱は50パーセント、MERSは30パーセント、SARSは9パーセントである。 
https://www.businessinsider.jp/post-207105

 だが、今の過熱報道はまるで、ペスト(ペストは、未治療の場合に致死率が30%~60%)やコレラ(未治療の場合だが、致死率75~80パーセント)のような法定伝染病が蔓延しつつあるかのようである。この過熱報道はパニックを惹起する危険がある。新型コロナは0.2パーセントである。

 

3.パニックによる医療体制の崩壊が一番危険

 なぜ危険か。中国武漢における致死率が2パーセントと、他地域0.2パーセントの10倍にもなっているのは、恐怖に陥ったパニックが起こって人々が病院に殺到して、医療体制が崩壊したことによる。医療体制が崩壊したので、新型コロナとは関係なく、他の重病患者たちも病院にかかることができなくなって、多く命を落としてしまったことであろう。

 なぜパニックに陥ったのか? 新型コロナにかかったら十中八九死んでしまうという、正しい知識に基づかない恐怖のせいであろう。もう一度、他の感染症との致死率の比較を確認して、頭を冷やすことが必要である。繰り返すが、新型コロナの致死率は中国以外0.2パーセントである。20パーセントではない。2パーセントですらない。0.2パーセントである。

 政府が軽い症状なら自宅で静養を求めていることに対して批判するヒステリックな報道番組があるが、どうだろうか。誰もかれもが病院に殺到すれば、武漢のように医療体制が崩壊し、本当に医療を必要とする人が医者にかかれなくなり、新型コロナだけでなく、他の重病の人も危険の中に放置されることになる。医者の仕事は、目の前の一人の患者を救うことであるし、私たちは個人としては自分自身や家族に関心があるので、そういう気持ちになるけれど、政府は「最大多数の最大幸福」の実現が仕事である。医療体制を崩壊させるわけにはいかないのである。 

 

4.空気感染でなく、接触感染と飛沫感染

 新型コロナの感染は、接触感染と飛沫感染によると専門家はいう。WHOは新型コロナの感染力は、インフルエンザほど強くないと発表している。現在米国でインフルエンザ感染者が2600万、死者が14000人とも報道されていて、新型コロナとは文字通り桁違いの勢いである。ちなみに、日本では2018年のインフルエンザ死者数は3325人、2019年1月から9月のインフルエンザ死者数は3000人を超えている。
https://president.jp/articles/-/33053?page=2

 それはともかく、新型コロナは飛沫感染接触感染である。ということは、具体的には、くしゃみをした時、手で口を抑えて、手に飛沫が付き、その手でドアノブ、手すり、つり革などをつかみ、それを他の人が触って、その手を自分の口、目、鼻に持っていくことでうつるというケースが多いだろう。鼻汁がついた指でも同じ。したがって、マスクより重要なのは手を清潔に保つことである。

 

5.マスクを使うなら正しく使う (自らの予防には不要)

 自分が患者でなければ(これがわからないから困るが)、直接的な意味ではマスク必須ではない。ただ、マスクをしておけば、喉の乾燥が防げインフルエンザになりにくいというメリットはある。喉が潤っていると風邪をひきにくい。だが、マスクを使うなら正しく使用しなければならない。 

 本人が感染している場合、本人がマスクをすることは、飛沫感染防止になるので有効である。だがマスクというのは扱いが難しい。マスクで飛沫は飛ばさないとしても、使ったマスクの布にさわったら、手は汚染する。ポケットに入れたら、ポケット内が汚染して、突っ込んだ手が汚染する。汚染した手であちこちさわると、汚染はひろがる。正しくマスクをかけた上で、わしづかみにせず、ひもをもって外したら、すぐに捨てるか、捨てる場所がなければ、すぐにポリエチレンの袋に密封してからポケットに入れるかしないといけないわけである。もしひも以外を触ったら、すぐ指を消毒する。・・・これはとっても難しいなあというのが、筆者の感想。

 

<追記3月2日>
 WHOが感染予防にはマスクは不要と発表しました。 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200301-00000044-kyodonews-soci

6.手、手すり、ドアノブなどを清潔に

 もっと肝心なのは手を清潔に保つことである。アルコールが薬局で手に入らなくなっているが、手洗いをすればよい。また、多くの人が手を触れる場所を清潔に保つことである。
 しかし、電車に乗って、誰かが汚染したつり革・手すりを素手で持って、その手で目をこすったり、鼻をほじって粘膜にふれると、汚染はうつる。そういうことを思うと、手袋は相当有効だろう。手袋をしたまま、目をこする人、鼻をほじる人はあまりいないだろうから。手袋した指が鼻の穴に入るほど、ふつう鼻の穴は大きくないし。ただし、マスクと同じで、電車に乗るときに使ったら、それをポケットに突っ込むというのはいけない。しかし、これはマスクと同じく、かなり難しそうである。

 有効な手袋使用法としては、おそらく、集会所入り口に手袋を置いておいて、入場者につけてもらい、帰るときには、玄関の箱に入れて帰ってもらうことだろう。手袋は捨てるか、洗濯するか。 ビニール製手袋は感染予防力はあるだろうが、長時間は無理だろう。木綿の手袋はどうだろう。感染予防力は劣るだろうが、素手でふれるよりは良いだろう。いろいろ考えると、マスクと同じく手袋も難しい。

 

7.水をつとめて飲む、食事、睡眠、適度な運動

 けれども、手洗い・手すり・ドアノブ清浄化以上に大事なことは、水をよく飲むこと、バランスよい食事、十分な睡眠、適度な運動で、抵抗力のある状態に自分のからだを保っておくことである。水は1日2リットル飲むとよいそうである。この冬は、筆者も仕事をしながら、30分ごとにごくりと飲むようにしていたら、喉の奥が潤って、風邪をひかない。

 新型コロナで汚れたものを触って、目や鼻や口から入ったばあいも、抵抗力があれば発症しないが、抵抗力がなければ発症する。発症しても、風邪の場合と同じく戦って勝たねばならない。そのためには、やはり体力が肝心。

 以上、新型コロナに関する感想。

 

「カゼとインフルエンザの違いは?」by日本調剤
  https://www.nicho.co.jp/column/14239/

「カゼを引き起こすおもなウィルス」 

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/01_kaze/

「風邪をなおす薬はない」

 https://www.caps-clinic.jp/kazekusuri

 

<追記2020年3月2日>

WHOが「感染予防にマスク着用不要」と発表しましたね。

感染予防にマスク着用不要 過度の使用控えてとWHO

3/1(日) 11:21配信

共同通信

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は2月29日までに、新型コロナウイルスの感染予防に向けたマスクなどの適切な使い方の指針を公表した。せきやくしゃみといった症状がない人は予防目的で学校や駅、商業施設など公共の場でマスクを着用する必要はないとして、供給不足に拍車を掛けないためにも過度の使用を控えるよう呼び掛けた。

【写真】コロナ対策のためマスク越しにキス

 WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏も28日の記者会見で「マスクをしていないからといって、感染の可能性が必ずしも上がるわけではない」と強調。手洗いの励行など衛生上の注意点を守ることこそが「最も効果的だ」と言明した。