神学用語において、贖い、償い、宥めがごちゃごちゃになってしまっている。英語のatonementが混乱しているのが、そのまま日本語に持ち込まれた観がある。贖いとは「買い取る」ことを意味しており、償いは「弁償する」ことを意味している。宥めは、怒りをおさめさせることを意味している。だから、贖罪ということばはおかしくて、本当は償罪といわねばならない。だが、これだけ定着してしまうとどうにもならない。
正確に表現すれば、キリストは、神の怒りを宥めるために、自らを宥めの供え物としてささげて償いを成し遂げて、私たちを贖ってくださったのである。