苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「あなたは、私たちの父ヤコブよりも偉いのでしょうか。」

ヨハネ福音書4章

 サマリヤの女と主イエスの問答は伝道メッセージでもときおり取り上げられ入門的箇所として馴染み深いが、よく読むと、ここにも旧約に対する新約の画期的性格あるいは優越性ということが語られていることを見ることができる。
 その発端からして、イエスは「サマリヤを通っていなかければならなかった。」とある。これは神のご計画として、ユダヤ人が半異邦人として忌み嫌っていたサマリヤへの福音宣教を意味する。世界宣教の発端である。
 主イエスがいのちの水を与えようというと、女は「あなたは、私たちの父ヤコブより偉いのでしょうか。」という。イスラエル十二部族の祖にあたるヤコブが与える水にまさる主イエスのいのちの水である。救いがイスラエル民族のうちにとどまっていた旧約時代は終わったことを告げている。いのちの水は、聖霊を意味している。水によるバプテスマでなく、水と御霊によるバプテスマの時代の到来である。
 さらに、礼拝すべき場所はユダヤ人はエルサレムだといい、サマリヤ人はちがうというのだが、主イエスはもはや特定の場所に神殿が置かれる時代は終わったとして、世界中いずこであれ霊とまことによって礼拝をささげるそういう時代が来た、神殿(神と会見する場)は世界に拡大したという。つまり、民族国語を越えた教会の時代の到来である。