苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

エルサレム滅亡、バビロン捕囚

 バビロンの王ネブカデネザルがエルサレムを滅ぼしてしまう。ユダの王は、エホヤキム、エホヤキン、そして最後はゼデキヤである。
 ネブカデネザルは主の宮の宝物、調度品、王の家の宝物をことごとく持ち出してしまう。100年前にヒゼキヤ王がバビロンの使者に自慢した、あの宝物である。
 ユダの最後の王ゼデキヤに対するバビロンの振る舞いは格別残虐である。「ゼデキヤの子たちをゼデキヤの目の前で殺し、ゼデキヤの目をえぐり、足かせをかけてバビロンへ連れて行った。」(25章7節)とある。ゼデキヤが最後に見たものはわが子が殺される場面であった。
 そして、貧しい民のみを残して、多くのユダの人々は遠くバビロンへと捕囚とされてしまう。
 かくて、サウル、ダビデに始まったイスラエルの王国は滅亡してしまった。列王記記者は、このエルサレム滅亡の原因は、マナセの悪行のせいであると言っている。王の悪行は、一国を滅ぼしてしまう。だとすれば、私たちはどれほど国の指導者たちのためにどれほど熱心に祈らねばならないことだろうか。


24:1エホヤキムの世にバビロンの王ネブカデネザルが上ってきたので、エホヤキムは彼に隷属して三年を経たが、ついに翻って彼にそむいた。 24:2主はカルデヤびとの略奪隊、スリヤびとの略奪隊、モアブびとの略奪隊、アンモンびとの略奪隊をつかわしてエホヤキムを攻められた。すなわちユダを攻め、これを滅ぼすために彼らをつかわされた。主がそのしもべである預言者たちによって語られた言葉のとおりである。 24:3これは全く主の命によってユダに臨んだもので、ユダを主の目の前から払い除くためであった。すなわちマナセがすべておこなったその罪のため、 24:4また彼が罪なき人の血を流し、罪なき人の血をエルサレムに満たしたためであって、主はその罪をゆるそうとはされなかった。

24:10そのころ、バビロンの王ネブカデネザルの家来たちはエルサレムに攻め上って、町を囲んだ。 24:11その家来たちが町を囲んでいたとき、バビロンの王ネブカデネザルもまた町に攻めてきた。 24:12ユダの王エホヤキンはその母、その家来、そのつかさたち、および侍従たちと共に出て、バビロンの王に降服したので、バビロンの王は彼を捕虜とした。これはネブカデネザルの治世の第八年であった。 24:13彼はまた主の宮のもろもろの宝物および王の家の宝物をことごとく持ち出し、イスラエルの王ソロモンが造って主の神殿に置いたもろもろの金の器を切りこわした。主が言われたとおりである。 24:14彼はまたエルサレムのすべての市民、およびすべてのつかさとすべての勇士、ならびにすべての木工と鍛冶一万人を捕えて行った。残った者は国の民の貧しい者のみであった。 24:15さらに彼はエホヤキンをバビロンに捕えて行き、また王の母、王の妻たち、および侍従と国のうちのおもな人々をも、エルサレムからバビロンへ捕えて行った。 24:16またバビロンの王はすべて勇敢な者七千人、木工と鍛冶一千人ならびに強くて良く戦う者をみな捕えてバビロンへ連れて行った。

24:18ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年の間、世を治めた。母はリブナのエレミヤの娘で、名をハムタルといった。 24:19ゼデキヤはすべてエホヤキムがおこなったように主の目の前に悪を行った。 24:20エルサレムとユダにこのような事の起ったのは主の怒りによるので、主はついに彼らをみ前から払いすてられた。
さてゼデキヤはバビロンの王にそむいた。
25:7ゼデキヤの子たちをゼデキヤの目の前で殺し、ゼデキヤの目をえぐり、足かせをかけてバビロンへ連れて行った。
25:8バビロンの王ネブカデネザルの第十九年の五月七日に、バビロンの王の臣、侍衛の長ネブザラダンがエルサレムにきて、 25:9主の宮と王の家とエルサレムのすべての家を焼いた。すなわち火をもってすべての大きな家を焼いた。 25:10また侍衛の長と共にいたカルデヤびとのすべての軍勢はエルサレムの周囲の城壁を破壊した。 25:11そして侍衛の長ネブザラダンは、町に残された民およびバビロン王に降服した者と残りの群衆を捕え移した。 25:12ただし侍衛の長はその地の貧しい者を残して、ぶどうを作る者とし、農夫とした。
25:13カルデヤびとはまた主の宮の青銅の柱と、主の宮の洗盤の台と、青銅の海を砕いて、その青銅をバビロンに運び、 25:14またつぼと、十能と、心切りばさみと、香を盛る皿およびすべて神殿の務に用いる青銅の器、 25:15また心取り皿と鉢を取り去った。侍衛の長はまた金で作った物と銀で作った物を取り去った。 25:16ソロモンが主の宮のために造った二つの柱と、一つの海と洗盤の台など、これらのもろもろの器の青銅の重さは量ることができなかった。 25:17一つの柱の高さは十八キュビトで、その上に青銅の柱頭があり、柱頭の高さは三キュビトで、柱頭の周囲に網細工とざくろがあって、みな青銅であった。他の柱もその網細工もこれと同じであった。
25:18侍衛の長は祭司長セラヤと次席の祭司ゼパニヤと三人の門を守る者を捕え、 25:19また兵士をつかさどるひとりの役人と、王の前にはべる者のうち、町で見つかった者五人と、その地の民を募った軍勢の長の書記官と、町で見つかったその地の民六十人を町から捕え去った。 25:20侍衛の長ネブザラダンは彼らを捕えて、リブラにいるバビロンの王のもとへ連れて行ったので、 25:21バビロンの王はハマテの地のリブラで彼らを撃ち殺した。このようにしてユダはその地から捕え移された。