苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

群馬・栃木・千葉・茨城のおとなたちに、子どものためにしてほしいこと



    (栃木県)

    (群馬県

     (茨城県

    (千葉県)  以上いずれも文科省発表

 昨日、群馬県みどり市にうかがいました。群馬県東部にあたり栃木県と接し、西隣は桐生市です。地図を見れば一目瞭然なのですが、かなり放射能汚染の程度は厳しい状況なのです。しかし、地元の人たちの放射能汚染にかんする危機意識は薄いようすで、今回、昨日ブログに載せた文科省による放射能汚染マップを見て、驚いていました。すでに昨年秋に新聞にも掲載されたのですが、福島のことのみを取り上げるテレビや新聞のせいでしょう。
 群馬県内で線量が高い自治体は、みなかみ町川場村・高山村・沼田市渋川市桐生市みどり市片品村中之条町です。うすい青色の場所は、放射性セシウムが1平方メートル当たり10万〜30万ベクレル。
 しかも、線量の高いのは山岳部・高原地帯であり、そこから利根川吾妻川、烏川、渡良瀬川が南東の平野部に流れ込んできているので、今後数年のうちに山岳地帯に降下した放射性物質が平野へ、地下水へ広がってくることは避けがたいでしょう。しかし、そこで多くの人たちが生きていかねばなりませんから、それなりの新しい生活習慣をつくることが必要だと思います。
  文科省のHP→http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/1910/2011/09/1910_092714.pdf
<避難基準 ベラルーシと日本>
 ベラルーシ共和国チェルノブイリ原発の近傍にあり、1986年4月26日の原発事故でひどく汚染されました。今日ベラルーシで用いられている避難基準の制定は、事故後6年の1991年12月のものなので、事故後1年の日本の避難基準とは単純には比較できません。というのは、セシウム137は半減期30年なので、さして変化はないはずですが、セシウム134の半減期は2年なので、事故後6年であればすでに事故直後と比較すれば8分の1になっているという計算になるからです。あちこちで見かける、「事故後1年の日本の基準がベラルーシと比べて4倍の甘さだ」というのは不正確です。しかし、それにしても事態はそれほど楽観できるわけではありませんから、ベラルーシの経験を参考にさせていただいて、特に子どもたちのために親や自治体や文科省が適切な対応をすべきです。

<年間放射線量>  <日本の区分>    <ベラルーシ区分>
50mSv以上    帰還困難区域          強制避難区域
20〜50mSv未満  居住制限区域          強制避難区域
20mSv未満  避難指示解除準備区域      強制避難区域
5mSv以上     居住可能            移住の義務区域
1〜5mSv     居住可能            移住権利区域
0.5〜1mSv未満  居住可能            放射能管理区域

 それにしても、ベラルーシの医師ウラジーミル・バベンコさんのレポートの指摘は重いものです。「完全に健康な子どもの割合はチェルノブイリ原発事故発生前年の1985年には85%で、その後数年の間に激減し1999年には20%にまで減ってしまいました。慢性疾病患者の子どもが10%から20%に増え、すべての医療分野における患者の数も増え、おおむね異性疾患の発生頻度はチェルノブイリゾーンで2.3倍に増加しました。」(ウラジーミル・バベンコ『自分と子供を放射能から守るには』p28)というのです。

 では、どうすればよいのかということで、福島はもちろん、群馬、栃木県北部、茨城、千葉のホットスポットの大人たちに提案したいのは次のことです。
1.環境にかんしていえば、校庭、通学路、子どもたちが遊ぶ場所を重点的に定期的に検査をして除染すること。定期的にという意味は、一回除染しても、福島原発からは放射能が今なお噴出し続けているからであり、また、広がり続けるからです。

2.放射能汚染の厳しい地域で取れる野菜・山菜を取らざるを得ない場合は、放射能を蓄積しやすいものとしにくいものを認識すること。学校給食は地元の野菜を使うという、自治体の方針があるかもしれません。親たちが調べて見ることです。子どもには安全なものを食べさせたいですが、それでも地元農業を守るためだということで使うならば、調理法を工夫してくださいとお願いしてはどうでしょうか。
a.放射性物質をたくわえやすい作物と、そうでないもの。
セシウムを取り込みやすい野菜(取り込みやすい順番)
からし菜39>さつまいも33>そら豆12>じゃがいも11>きゅうり6.8>レタス6.7>にんじん3.7>白菜2.7>ねぎ2.3>キャベツ0.92>トマト0.7>ほうれん草0.54>たまねぎ0.43
 数字はわかりませんが、タケノコ、キノコはセシウムを取り込みやすい性質を持っています。
セシウムを取り込みやすい果実
黒房すぐり3.2>いちご1.5>りんご1>グズベリー1>ブドウ0.79>メロン0.41
☆野菜の調理法についていえば、まずよく水洗いをすることです。セシウムは水溶性だからです。野菜はいためたりサラダにするよりも、おひたしのほうが安全です。ただし放射能対策として有効なビタミンCも水溶性で熱に弱いので、ビタミンC摂取は工夫することです。お米は残念ながら玄米はあきらめて、白米にすることです。栄養のある胚芽の部分に、放射性物質が集中するそうです。

3.魚介類について
 魚の産地、魚の種類に注意。福島・群馬・栃木などの多くの湖沼ではすでにつりが禁止されてしまっている。今後数年のうちに、多くの川が流れ込み、かつ、外に流れ出しにくい東京湾放射能量が増えてくることも避けられないでしょう。
 一般的に底生魚の類は蓄積量が多い。イカナゴメバルアイナメ、スズキ、カレイ、ヒラメなどは高い傾向があります。
 調理法としては、骨・軟骨・内臓には放射性ストロンチウムが蓄積されている心配があるので除去する。カルシウム不足は、他でおぎなう。

4.放射性セシウムを排出するために、リンゴ・ペクチンの摂取を適量すること。一日二個リンゴを皮ごと食べるのです。ただしよく洗うことが大事です。サプリメントでもリンゴペクチンamazonで買えますが、摂取量をかならずまもることが大事です。リンゴペクチンを取りすぎると、からだに必要な微量要素までもいっしょに排泄してしまうからです。
 http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/searchdiary?word=%A5%EA%A5%F3%A5%B4%A5%DA%A5%AF%A5%C1%A5%F3

5.放射能によってDNAに及ぶ害は、直接的な作用が20%で、放射能によって生じたフリーラジカルによるものが80%。ですが、ビタミンCをはじめとする抗酸化物質によって、その害を抑えることができるそうです。
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/searchdiary?word=%2A%5B%CA%FC%BC%CD%C0%FE%C8%EF%C7%F8%5D
http://www.komorebi.org/kaisetu/freera.html
追記2012年7月13日>
 ただし、ここで挙げられている臨床例、また、紹介されている外国語論文では、いずれも大量の放射線被曝をしたばあいにビタミンCなどの高濃度投与に効果があったという例であって、それがただちに低線量環境下での長年にわたる内部被曝に効果があるかどうかは、確定できないという解説もある。
 もうひとつは、サプリメントで摂るよりも、安全な野菜や果物を十分に摂取することはからだによいことはわかっている。



6.こうした現実を認識しながら、快活な心で余裕をもって過ごすことです。精神的ストレスもまた、フリーラジカルを増やしてからだに悪いからです。また、快活な心でいるとNK細胞がふえてガンを予防することができます。たのしく教会生活をして、歌い、笑い、話を聞いてもらい、思いっきり泣き、十分に睡眠をとり、バランスのよい食生活をすること。
http://ww8.tiki.ne.jp/~shichifuku/NK/
「穏やかな心は、からだのいのち。
 激しい思いは骨をむしばむ。」箴言14:30