苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

日本は資源大国・・・日本海のメタン・ハイドレート

 日本海にあるメタン・ハイドレートに関するビデオの紹介。


 概要。メタンハイドレート(methane hydrate 以下、MHと略記)とは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている包接水和物である。低温かつ高圧の条件の海底やシベリアの永久凍土の下で発見されている。
 ここ10年ほど前からの調査で日本の周辺の海底にはMHが大量に存在することがわかってきた。政府(経済産業省メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム 略称MH21)は、太平洋側の南海トラフのMH探索してきたが、太平洋側のMHは海底の数百メートル下に分子レベルで泥と砂のなかに埋まっているために、そこからMHを取り出すことが非常に困難でコストがかかるので、採算がとれないという壁にぶつかっている。
 ところが、独立総合研究所が日本海側の新潟沖を調べたところ、そこにはこぶし大のMHがごろごろしていることがわかった。また海底の下にある場合でも百メートル程度の深さなので特殊な技術ではなく通常の技術で採掘できる。また、こういう様態のMHであれば、容易にメタンを取り出すことができる。新潟県上越市にある天然ガス火力発電所にMHからメタンを取り出す小さなプラントを作れば、ただちに火力発電に使用できる。その場合、発電力コストは微々たるものとなるので、電気料金は10分の1か、それ以下になる。
 また、青木博士は魚群探知機を用いるというきわめて簡便な方法でMHのある場所を発見する方法を見つけ、日米中韓露豪の特許も取っているので、国が本腰を入れて漁師さんたちの協力を得て、組織的に日本近海の全体を調査してほしいと考えている。
 しかし、現状としてはMH21の官僚とその学者たちは自分たちのメンツにこだわっているせいであろうか、遅々として成果の上がらない南海トラフのMHには数百億の予算を投じながら、日本海側の調査には数百万しか予算措置をしようとしないので、調査研究実用化が進まないでいる。

こちらも参照→東大大学院HP 松本良
新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見」http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2007/x6.html


(筆者コメント:地熱発電でも原子力ムラの妨害で開発が進まないできた経緯があります。日本にはすぐれた地熱発電の技術があって、地熱発電のプラントを外国に輸出していますが、原子力ムラの経産省官僚の妨害で予算がほとんど投じられて来なかったので、国内ではほとんど使用されていません。原発推進派は、地熱発電は安定的に電力供給ができ、コストも低いので原発のライバルとなることを警戒してきました。一部の人々の既得権益やメンツのために国の大計を誤るとすれば、困ったことです。
 ただし、資源があるということはよいことばかりではありません。争いの火種を抱えているという意味でもあります。隣国が竹島尖閣諸島に執着を示しているのは、それぞれの近海にMHがあるからだそうです。どのようにMHを平和に活用すればよいのでしょうか。知恵と勇気ある政治が必要です。
「 野菜を食べて愛し合うのは、
 肥えた牛を食べて憎み合うのにまさる。」箴言15:17
「 一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、
 ごちそうと争いに満ちた家にまさる。」箴言17:1)