苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

玄海原発爺さんは 「98度でも冷たか」

 「玄海じいさん。お湯が準備できましたよ。おじいさん好みに熱目にしておきましたよ。」
 「そうか。そうか。じゃあ、入れてもらうかな。」
 そういって、玄海じいさんが湯船に入ったとたん、「ひええ。冷たか!」と言ってぽっくり逝ってしまった。お湯の温度は98℃だった。100℃にしておくべきだったのに・・・。
 原発というのは老朽化が進むと、ものすごく寒がりになってしまうのだ。だから地震が来て緊急冷却のために水をかけただけで割れてしまうのである。玄海原発は特別もろくなっていることがわかった。
 「みう」さんに、原発の年齢表を教えていただいた。最高齢者・・・敦賀1号と美浜1号は、40歳で、次が39歳の福島第一1号機。これは今回の地震で死んだ。36歳が福島第一2号機、島根1号機、高浜1号機・・・とつづく。こちら参照→http://cnic.jp/files/roukyuuka20110312.pdf
 老朽化した原発のなかでも、めちゃくちゃに危険な状態にあるのが玄海原発1号機である。金属材料物性の専門家井野博満(東大名誉教授)は、次のように述べている。http://news.ameba.jp/20110526-112/
〜〜〜以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉といっていいでしょう」

 こう断言するのは、井野博満・東大名誉教授(金属材料物性)である。メルトダウンした福島第1原発より、停止が決まった浜岡原発より、玄海1号炉のほうがはるかに危険というのだ。

 その根拠として井野教授があげるのが、次の数字である。
 35℃('76年)、37℃('80年)、56℃('93年)、そして98℃('09年)。九州電力が公表した玄海1号炉の「脆性遷移温度」の推移である。

「ひと言で言えば、圧力容器そのものが劣化し、いつ"破断"してもおかしくない状態なのです」

 わかりやすく説明しよう。冷えたガラスのコップに熱湯をいきなり注ぐと、コップは割れるかひびが入ってしまう。これはコップの内側と外側で急激に温度が変わり、その差にガラスが耐えられなくなってしまったからだ。
原子炉の場合は逆だ。常に高温に晒された原子炉に冷えた水がかかると、やはり急激な温度差に耐えられず、金属が破断してしまう。この変化にどこまで耐えられるかが「脆性遷移温度」だ。要は、98℃の水が原子炉にかかると、破断する危険性があるのだ。

「私はわかりやすい例としてタイタニック号の沈没をあげるんです。タイタニック号の船底や外板の鉄は質が悪く、27℃程度で破断する状態だった。冷え切った海を航海していて、そこに氷山がぶつかった。その衝撃が想像以上に船を破壊したため、世界最大の船があっという間に沈んでしまったんです」

 原子炉は常に炉心から放出される中性子が炉壁に当たっている。このダメージが積もり積もって、圧力容器がどんどん脆くなっていくのだという。
玄海原発1号機の原子炉は陶器のようなもので、簡単にひび割れ、破断してしまう。もし現実になれば、炉心の燃料棒が吹っ飛ぶような大爆発を引き起こす可能性もあります」(井野氏)

 98℃という温度は、そんな最悪のシナリオをリアルに予感させるものだという。
〜〜〜以上、引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 人間もそうだが、原発というのは、年を取れば取るほどものすごく寒がりになる。玄海1号機という爺さんは運転中で熱くなっている時、地震が来た緊急停止だということで水をかけたら、たとえそれが98℃の熱湯であっても、「ひー、冷たか!」と言って割れてしまうことがわかったというのである。それじゃあ水をかけて冷やしようがない。若いときは母材はマイナス15℃、溶接部はマイナス51℃、熱影響部はマイナス65℃の冷水をかけても「ぬるいね。平気だよ」と言っていたのだが、核分裂にともなう中性子線を浴び続けることで、98℃でも「だめじゃ。寒かばい。限界じゃ。」とぽっくり逝ってしまうほど寒がりになってしまっているのである。では98℃じゃなくて200℃の水で徐々に冷やせば、と思っても、水は100℃までしか上げられない。

 地震が来たら、自動で緊急停止装置が働き、原子炉には水がかけられて冷却が始まるのだが、その作業にはいった途端、玄海1号機はピキピキバコッと割れてしまう。それほどボロなのだ。それなのに、原子力安全保安院は、玄海1号機の廃炉を命じることもせず、点検が終わったから「安全ですよ。再稼動してください。」というのだから、いったいなんの仕事をしているのやら。

 老朽化はもちろん玄海1号機だけではない。今回、津波が来る前、地震の400〜500ガルの揺れで、圧力容器の循環系の溶接部が損傷したとされている福島第一原発1号機はどうだったか? 溶接部24℃と出ている。玄海原発にくらべればずっと若々しいのだが、それでもだめだった。だとしたら、美浜1号機、美浜2号機、敦賀1号機は400〜500ガルでみんなアウトである。なぜなら美浜1号溶接部81℃、美浜2号溶接部30℃、敦賀1号溶接部50℃でアウトだから。
 爺さん原発はみんな廃炉を即刻決定すべきだ。