苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

石原慎太郎都知事への手紙

 都知事選ではおおかたの予想通り、現職の石原慎太郎氏が選出された。なられた以上は、よい都政を行なっていただきたく、特に、浜岡原発の停止についてお願いのメールを差し上げた。私は都知事と個人的な交流があるような「大物」ではないが、都のHPには都知事あての意見箱がある。読んで動いてくださるようにとお祈りしながら、書いてみた。
 もちろん氏の国家観とか教育観に大きな違和感をいだくところがあるのは事実であるが、それでもローマ帝国の時代に、パウロは皇帝や総督たちを「権威」として認めて一定の敬意を払い(ローマ13)、かつ彼らが善政を行なうように祈るように求めている(1テモテ2:1)。
 石原氏の「東京には力があるから、その力を東京だけのためではなく、国のためにささげようじゃないですか。東京が貧乏になったっていいよ、我慢できるよ。国が立ち上がるなら」という発言には感銘を受けた。発言したとおり、実行してほしい。
「そこで、まず第一に勧める。すべての人のために、王たちと上に立っているすべての人々のために、願いと、祈と、とりなしと、感謝とをささげなさい。」1テモテ2:1
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 ご当選おめでとうございます。「今般の大地震の被災地のためには、力ある東京が、なんでもしよう。自分たちが貧乏になってもいいじゃないか。」というご発言に感銘を受けました。私は3週間前にいわきに物資を届けに出かけて参りました。断水と放射能への恐れから6割は自主避難していました。

 さて東京の防災化を石原都知事が明言されましたが、間近に二つの大地震が迫っています。一つは南関東直下型地震で短周期の激しい揺れに環状7号周辺の木造住宅郡は潰れて大規模な火災となり「火炎合流」を引き起こすことが懸念されています。この地域の狭い道の住宅街の風情は知っていますから残念ですが、防災の観点からするとこの住宅群をどうするかが課題ですね。

 もう一つは、M.8.4超の東海大地震で、その震央には中部電力浜岡発電所が位置しています。前回の安政地震では2メートルの断層ができていますから、間近な地震でも原発は直下から2メートル突き上げられ、かつ激しく横に揺すぶられるので、原子炉のブレーキである制御棒が入らず、炉心溶解・水蒸気爆発・放射能噴出となります。先に震度6弱程度の地震でも浜岡原発は制御棒の一部が入らないという事故を起こしました。そのときは短時間だったので事なきを得たのですが。
 また浜岡原発施設の敷地には活断層が通っていますから、地盤ががたがたに崩壊して冷却水パイプ・電気系統が破断し、やはり原子炉は暴走します。
 恐らくそのあと津波が押し寄せて来るでしょう。現在堤防はなく砂山が積んであるだけです。中部電力は今頃あわてて2年がかりで高さ12メートルの防波堤を造ると発表しているお粗末さです。

 福島原発は列島の東に太平洋に面しており、かつ、冬型の気圧配置のせいで北西の風によって1号機3号機の爆発で生じた放射能雲の恐らく95%以上は太平洋の上空に拡散しました。しかし、浜岡原発の場合、春から秋、南西の風の季節ならば、6時間〜8時間で放射能雲は関東圏全域を覆い、しかも、原発への対処ができないで長期間放置されますから、水源地・森林・農地が放射能で汚染され人が暮らせなくなります。
 私は信州に住む人間ですが、月に2度は上京しますし、大切な友人もたくさん東京に住んでいます。東京都がつぶれればこの国は立ち行きません。

 そこで、石原都知事にお願いしたいことは、都内の防災化とともに、国と中部電力に働きかけて、浜岡原発を即時停止させるとともに地震対策を徹底強化させてくださることです。ちなみに、中部電力の総電力量のうち浜岡原発の占める割合はわずか14パーセントにすぎません。火力のバックアップも十二分にありますので、電力需要への対応はなんら問題ありません。
 では、よろしくご活躍ください。


浜岡原発震災を防ぐ全国署名にご協力を!

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追記「節電で脱原発」の趣旨のメールも送りました。