苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

目の前のひとりを、そして、この国を


 同盟教団では第5次の救援チームが仙台入りをして、現地の諸教会・団体と協力して奉仕している。このように、今、目の前にある被災者の必要にこたえることと、この被災自治体復興と国全体のためにもう少し先を見て具体的に取り組むこと、この両方に奉仕すべきだと思っている。
 福島原発の状況は、なお決して予断を許さないという状態であり、現場の人3名が被曝したという痛ましいニュースを耳にしている。高濃度の放射能漏れの原因は、相当深刻らしくまもなく緊急避難地域が拡大されそうである。
 が、同時に、安全地帯にいる経団連会長が「日本の原発津波に耐えた。すばらしい。」と愚かな発言をしている。このままでは、今回の事故を受けてなお、原発利権にむらがる財界の圧力を受けて、原発行政の亡国の方針が従来どおりで進んでしまいそうな雲行きなので、黙っているわけには行かない。

目の前の被災者のケア
 被災地の状況は日に日に変化している。プレート境界型の巨大地震ゆえに被災地が広範囲にひろがり、地域によるニーズもちがう。ある地域は物資はなお足りないが、ある地域では物資はもうだぶついている。徐々に回復しつつあるものの、被災地に共通して不足している物資はガソリンである。東京はガソリンが回復したと聞くが、運搬用の特殊な携行タンクが必要である。こういうとき、ディーゼル車はポリタンクで運べる軽油なので便利だ。
 今後、緊急に「人」が必要とされている。物資を仕分けするマンパワーとしての人だけでなく、被災してすべてを失い悲しみにうちひしがれている方たちの前にひざまずいて手を握って、じっと耳を傾けることができるような人が必要とされている。長野県千曲市では、避難者のケアのために今度の主の日の夕方、講習会が開かれようとしている。
 物資がなお届きにくいのは、東北の北のほうと原発の近所のいわきのような町々である。

脱原発原発設置自治体の振興を同時に行なうための国と自治体への提案
1.全国の原発の危険な状況
 現在57基の原発が日本各地に存在する。町村合併によって少しわかりにくくなっているが、いずれも過疎で財政的に困窮している地方自治体を国と電力会社が狙ったというか、地方自治体が原発にすがったという場所である。筆者も過疎地に住むので過疎の自治体の苦しみはわかる。
 原発配置図を一見すれば、ひとつの地域に原子炉が何基も集中していることがわかる。なぜなら、原発について地域住民の理解を得ることがむずかしいので、一つの自治体がOKを出すと、電力会社はそこにいくつもの炉を集中させてきたからである。一箇所にいくつもの原子炉があれば、福島第一でもわかるように、いくつもの原発が同時に被災する。そして、もし一つ原子炉で炉心が鎔けて穴が開くという最悪の事態に陥れば、誰もそこには踏みとどまれなくなるから、結局、そこに並んでいる原子炉がすべて放置され結局破綻することを意味している。たいへん危険な設置の仕方である。
 しかも、危険なプルサーマル化計画が着々と進められてきた。九州電力玄海四国電力伊方、東電福島第一3号、関西電力高浜はすでに稼動中であり、中電浜岡、関西電力高浜4号、中国電力島根、北海道電力泊、東北電力女川がプルサーマル化が合意済みである。今回の事態を受けて、あわてて自治体首長たちが電力会社に交渉し直している。

http://www.jaif.or.jp/ja/nuclear_world/data/image/jp_npp-location.jpgより。
2.省エネLED化で原発は不要
 2010年の総電力量のうち原発によるのは23パーセントである。これは、先日書いたように、現在の省エネ技術を総動員して節電すればクリアできる数字である。特に有望なのはLEDである。全国の照明をすべてLED化すれば20〜25パーセントの節電ができるという。まず手を付けるべきは白熱灯禁止である。LED化だけで白熱灯の7分の1に、蛍光灯にするだけでも5分の1ほどに節電できる。他にも省エネ技術はいろいろある。
3.LED工場を原発設置自治体に誘致
原発を廃止すれば迷惑料収入と雇用とを失ってしまう自治体に対して、優先的にLED工場の誘致させる。特に今回の原発破綻によって、かりに客観的数値としては軽微な汚染だとしても、実際上、今後、相当年数、商品作物を売ることが困難になってしまった福島と近隣地域を優先することである。県のイメージも、日本をクリーンにする県としてアップしていくだろう。事実、福島にはシチズンのLED工場がある。
4.電気自動車・オール電化キャンペーンは止めさせる
先にも日経新聞の記事を紹介したように、電力需要は長期的に低下する方向にある。それで電力会社は、「電力不足です」と言いながら、「電気自動車とオール電化がエコだ」というキャンペーンによって需要を作り出すという矛盾したことをしている。電力需要がふえてもっとも不潔なエネルギー原発を必要とさせる、このキャンペーンはただちに止めさせる。
5.原発バックアップ用火力発電所を一時的に稼動
6.まとめ:原発を廃止して安全な国をつくる手順
 a.原発をストップし、現在、稼動していないバックアップ用火力発電所の稼動を開始する。
 b.原発は停止しても10年ほどは本当には冷えないので、迫っている地震への対策を強化する。
 c.原発設置自治体にLED工場などを優先的に誘致させ、急速に増産させる。
 d.白熱灯はただちに全面禁止とする。(オーストラリアに先例あり)
 e.全国のあらゆる照明をすみやかに、蛍光灯からさらにLED化して節電し、節電できた分、順次火力発電所を停止する。

★以上の内容を本日2011年3月25日、首相官邸菅直人首相・海江田万里経済産業大臣、枝野官房長官岡田かつや氏、および下記の原発のある各自治体に発送しました。
北海道庁青森県庁、青森県東京東通村青森県大間村、宮城県宮城県女川町、福島県庁、福島県庁、茨城県庁茨城県東海村新潟県庁、新潟県柏崎市福井県庁、福井県敦賀市福井県高浜市静岡県御前崎市島根県県庁、愛媛県、愛媛伊方町佐賀県庁、鹿児島県、鹿児島県川内町
 (未発送の自治体は北海道泊村、福井県美浜町広島県上関町。福島県相馬市は受け取ることできず。)

浜岡原発震災を防ぐ全国署名にご協力を

クリック⇒http://www.geocities.co.jp/genpatusinsai/

 左の真ん中あたりに署名用紙ダウンロードあり。