すでに信州の山間部の町は氷点下になってきたので、屋根裏から防寒対策道具を取り出した。自作の「窓際寒気防波堤」である。商品名では「冷気ストップパネル」とか、「窓際あったかボード」とかネーミングがされていて、ホームセンターや通販で売られている。名前などどうでもいいが、「窓際寒気防波堤」はほんとうに効果がある。よく窓にプチプチシートを貼ったりするけれど、二月には氷点下15度よりもっと下るこの地域では、あまり効果はない。しかも、外が見えなくなる。この寒い地域であるから、防寒のペアガラスサッシを入れていても、そういう状況だ。
<仕組み>
出典 http://ha-tokoubou.com/keturo/
引き違い窓の場合いかに高性能サッシでも、上下には隙間があって冷気が入ってくる。引き違い式でないハッチ式やハメゴロシ窓でも、冷たいガラスに接している室内の空気が冷やされて、冷えた空気が重くなって下がって、窓から足元へと流れてくるので、足元が冷えてしまうのである。この冷気の流れをコールド・ドラフトというそうである。
そこで、窓ガラスの内側に、高さ40〜50センチ程度の窓際寒気防波堤を設置すると、冷気は窓と防波堤の間にたまる。冷気はやがて防波堤を越流してくるのだが、防波堤内で冷たい空気は下にたまり徐々に暖められると上昇して越流するで寒くないのである。だから設置においてたいせつなポイントは、窓と防波堤の間を10センチほどあけることである。せめて5センチは欲しい。そうでないと、冷気が温まる前にあふれてしまうからである。
<効果>
効果のほうだが、外気温、室内温度などの条件によってずいぶんちがうが、厳寒期の会堂の北側の窓だと、窓際防波堤の寒いガラス窓側と、防波堤の室内側で5度以上ちがうから、当然暖房費も節約され、燃料の無駄遣いが減る。
<条件と費用>
窓際寒気防波堤の材料について。安上がりで昼の採光は不要、あるいは窓が大きいならば発泡スチロールボードでOK。ホームセンターで売っていて、とても安い。断熱性大。見た目もきれい。カッターナイフの新しい刃で加工すると簡単。
安上がりで、昼の採光がほしくて、体裁のよいものとすれば、養生用のプラダン(プラスチックダンボール)というのがある。これは材質によって値段が天と地ほどちがうので、注意。塩化ビニールのものが安価。だが、あまり薄いとぺらぺらで扱いにくい。これもカッターナイフで加工できる。
発泡スチロールのばあい
プラダンのばあい。窓枠との隙間を埋めるのに布ガムテープでプラダンにふちをつけて一工夫した。ガムテープで窓枠に貼りつけてはいません。養生テープを使えば、季節が終わった時に簡単に外せる。
プラダンの構造(厚さ3ミリ)