第一歴代誌第一章の系図を見ると、最初の部分は創世記10章の民族表がなぞられていることに気づく。アダムからノアへ、そして、ノアの三人の息子たちから出たセム、ハム、ヤペテそれぞれから世界に民族が広がっていく。
次に、セム族からアブラハムが出てイサクとイシュマエルが出るのだが、イシュマエルの子孫についてまで丁寧に振れられている。また、イサクの息子エサウとイスラエルについても、エサウの子孫がどうなったかについて記されている。
つまり、この系図は、ダビデ、ソロモンにつながる人々だけでなく、異邦人の系図についても目配りがされている。そのことに気づいて少々思いめぐらした。やはり、神はイスラエルの神であるだけでなく、世界の人類の神であられるのだ、と。