苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

医療最後進国? 最先進国?アメリカ

少し調べものをしていたら、外務省HPにこんな文章がありました。

「 米国の医療費は非常に高額です。その中でも,ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれており,一般の初診料は150ドルから300ドル,専門医を受診すると200ドルから500ドル,入院した場合は室料だけで1日数千ドルの請求を受けます。例えば,急性虫垂炎で入院し手術後腹膜炎を併発したケース(8日入院)は7万ドル,上腕骨骨折で入院手術(1日入院)は1万5千ドル,貧血による入院(2日入院,保存療法施行)で2万ドル,自然気胸のドレナージ処置(6日入院,手術無し)で8万ドルの請求が実際にされています。治療費は,診察料,施設利用料,血液検査代,画像検査代,薬品代などとそれぞれ別個に請求されるので注意する必要があります。」

 恐るべき米国の医療の実情です。これほどの高額な医療費をカバーするには莫大な掛け金の医療保険にはいらねばならないわけですが、貧しい家庭は医療保険に加入することができません。結果、病気になったとしても十分な治療を受けることもできず亡くなる人々が年間4万人という数字を見ました。ギャラップの調査では、年収3万6千ドル以下の人の30.7パーセントは医療保険に入っておらず(いやむしろ入ることができず)、年収9万ドル以上で医療保険に入っていない人は5パーセントにすぎないとのこと。
 米国は少数の富裕層の金持ちのための医療は最先進国でしょうが、庶民のための医療制度は最後進国なのです。こうした現状を打破しようと、オバマさんは皆保険制度を頑張っていますが、はげしい妨害もあるようです。
 こちらの記事を参照「国民皆保険制度に反対する人々」↓
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20100401

 TPPで医療分野も自由市場化されると、こんなふうになってしまわないのかなあ? 政治家や官僚が「1パーセント」の富裕層に属しているならば、問題の切実さはぴんとこないでしょうね。