苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

粛々と、でなく、厳粛に、でしょ

 また官房長官が沖縄でクレームが出された「粛々と」を、今度は原発再稼動について発言した。司法が判断したならば、行政は「粛々と」ことを進めるのではなくて、司法の判断をまずは「厳粛に」受け止めて立ち止まるのが三権分立の筋である。そうでなければ、まさに独裁。
 

菅氏、原発再稼働に変更なし 「粛々と進める」

2015年4月14日 18時47分 東京新聞

 菅義偉官房長官は14日の記者会見で、福井地裁が高浜原発3、4号機の再稼働を認めない仮処分を決定したことに関し「国は当事者ではない。あくまでも仮処分であり、事業者の対応を注視したい」と述べた。同時に「粛々と(再稼働を)進めていきたい」と強調し、原発再稼働方針に変更はないとの考えを示した。

 福井地裁が仮処分決定で、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査は「合理性を欠く」と指摘したことについては「規制委が専門的な見地から十分に時間をかけて、世界で最も厳しいといわれる基準に適合するかどうかという判断をした」と説明。
(共同)

 それに「世界で最も厳しいといわれる基準」なんて言っているのは、総理大臣と官房長官だけだろう。規制委員会の委員長でさえ、「『世界で一番』なんていうのは政治的用語で、科学的ではありません。」と否定していた。9.11事件後、欧米の安全基準では、メルトスルーした炉心を受け止める装置コアキャッチャー、二重の格納容器が求められるけれど、日本の新基準はそれがないので、専門家は日本の新基準が世界一厳しいなんて思っていない。
 新基準のもうひとつの決定的欠陥は、新潟の泉田知事が指摘したとおり、実際に事故が起こったときの住民の避難についてはなにも決めていないということである。なぜ決めていないか?事故が起きたときには、住民が避難しようないような場所に建設されている原発が多いので、基準を決めたら再稼動できなくなるからだ。