苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「美しい国」は醜い国

 下は現役キャリア官僚のことばだそうです。

 原発地震国に売るのは、お金に困って麻薬を売るのと似ています。戦争で財政回復を図るのは、お金に困って銀行強盗をするのと似ています。政治としては最低ではないでしょうか。
 国の経済が武器産業に頼るようになると、戦争を繰り返すことになります。武器は戦争がないと消費しませんから、軍需産業界は、武器が旧式化する前にだいたい十年ごとに戦争をせよと政府に働きかけるのです。戦争なしでは生きてゆけない国家財政、戦争中毒経済です。そんな情けない国が、首相の夢見る「美しい国」なのでしょうね。わたしには、そういうのは「醜い国」と見えてならないのですが。

「戦争中毒」については、こちらを参照してください。
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20111214/p1

<同日追記
 この文章を書きながら、創世記4章後半に記されたカインの一族と、アベルの代わりに与えられたセツの一族とのコントラストを思わされました。アベコベさんのような人々の目には、他国民の生き血と不幸でもって栄える富国強兵・帝国主義的なカイン国のほうが、セツ族の地味な祈りの国よりも、はるかに「美しい国」として映るのでしょうね。
 「他国民の生き血と不幸でもって栄える」という内容は、具体的には上に掲げた「戦争中毒」のリンク先から抜粋しておきます。

Q20.湾岸戦争死の商人たちはどれほどの利益を得たのか?

A. 46兆円を超える。湾岸戦争前、軍産複合体は“冷戦終結”のせいで、全米で1位と2位の軍事企業「マクダネル・ダクラス社」と「ゼネラル・ダイナミックス」の両社は経営危機に陥っていたが、湾岸戦争のおかげで立ち直った。「砂漠の嵐作戦」で中東に展開したミサイル、戦車、ヘリコプター、戦闘機といった陸・空の主要兵器だけで総額は約2740億ドル(約36兆1680億円)にのぼる。石油産業は、1990年末の四半期で、米国大手石油18社の純益は前年の250%という額に達し、ブッシュ大統領とベーカー国務長官は、故郷テキサスの一族と米国軍事産業界に莫大な利益をもたらした。

  更に湾岸戦争後、破壊されたクウェート復興事業(約800億ドル、およそ10兆4000億円)のほとんどは、世界最大の建設会社「ベクテル社」をはじめとするアメリカの企業が受注し、残りをイギリスがさらっていった。彼らは、中東を破壊し、中東を再建し、中東に莫大な負債をもたらすというパターンを繰り返して巨億の富を得てきたのである。まさに、死の商人は戦場で流される血をすするどころか、がぶ飲みして肥え太る吸血鬼である。