苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ロバより愚かな賢者

22:21明くる朝起きてバラムは、ろばにくらをおき、モアブのつかさたちと一緒に行った。 22:22しかるに神は彼が行ったために怒りを発せられ、主の使は彼を妨げようとして、道に立ちふさがっていた。バラムは、ろばに乗り、そのしもべふたりも彼と共にいたが、 22:23ろばは主の使が、手に抜き身のつるぎをもって、道に立ちふさがっているのを見、道をそれて畑にはいったので、バラムは、ろばを打って道に返そうとした。 22:24しかるに主の使はまたぶどう畑の間の狭い道に立ちふさがっていた。道の両側には石がきがあった。 22:25ろばは主の使を見て、石がきにすり寄り、バラムの足を石がきに押しつけたので、バラムは、また、ろばを打った。 22:26主の使はまた先に進んで、狭い所に立ちふさがっていた。そこは右にも左にも、曲る道がなかったので、 22:27ろばは主の使を見てバラムの下に伏した。そこでバラムは怒りを発し、つえでろばを打った。 22:28すると、主が、ろばの口を開かれたので、ろばはバラムにむかって言った、「わたしがあなたに何をしたというのですか。あなたは三度もわたしを打ったのです」。 22:29バラムは、ろばに言った、「お前がわたしを侮ったからだ。わたしの手につるぎがあれば、いま、お前を殺してしまうのだが」。 22:30ろばはまたバラムに言った、「わたしはあなたが、きょうまで長いあいだ乗られたろばではありませんか。わたしはいつでも、あなたにこのようにしたでしょうか」。バラムは言った、「いや、しなかった」。
 22:31このとき主がバラムの目を開かれたので、彼は主の使が手に抜き身のつるぎをもって、道に立ちふさがっているのを見て、頭を垂れてひれ伏した。 22:32主の使は彼に言った、「なぜあなたは三度もろばを打ったのか。あなたが誤って道を行くので、わたしはあなたを妨げようとして出てきたのだ。 22:33ろばはわたしを見て三度も身を巡らしてわたしを避けた。もし、ろばが身を巡らしてわたしを避けなかったなら、わたしはきっと今あなたを殺して、ろばを生かしておいたであろう」。   民数記22:21−23


 バラムは不思議な人物で、カナンの地に住みながら、主なる神からのことばを受け取ることができる、名の知れた預言者あるいは賢者であったらしい。彼の不思議な力を知るモアブの王バラクは差し迫るイスラエルの侵攻に対抗するため、バラムにイスラエルの民を呪ってもらおうと考えた。
 当然、バラムはそれは良からぬことと知りながら、「お礼はたんまりと弾みますよ。」という甘いことばに誘われて、ウキウキ気分でロバに乗ってバラクのもとへロバに乗って出かけた。すると、抜き身の剣をひっさげた主がバラムの進路を妨げた。だが欲に目がくらんだ賢者にはそれが見えない。だがロバには見えたから、ロバはそこにうずくまり、バラムは、ロバに「おれを馬鹿にするな」と怒りだす。
 賢者も金銭欲に目がくらむとき、ロバよりも愚かになる。

「6:22目はからだのあかりである。だから、あなたの目が澄んでおれば、全身も明るいだろう。 6:23しかし、あなたの目が悪ければ、全身も暗いだろう。だから、もしあなたの内なる光が暗ければ、その暗さは、どんなであろう。 6:24だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。」マタイ6:22−24