苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「原子力危険隠蔽院」と改称を

 友人から安富歩『原発危機と「東大話法」』という話題の本を貸してもらって読み始めた。副題が「傍観者の論理、欺瞞の言語」という。著者安富氏は東大教授である。あれほどの大事故を起こしながら、なぜなんの反省もすることもせずに原子力村は暴走し続けるのか、その根底には東大出の官僚・専門家たちの思考原理、話法があるのだと指摘する本である。
 「名を正す」という項に次の表がある。

*彼らは「危険」を「安全」と言い換えます。
*彼らは「不安」を「安心」と言い換えます。
*彼らは「隠蔽」を「保安」と言い換えます。
*彼らは「事故」を「事象」と言い換えます。
*彼らは「長期的には悪影響がある」を「ただちに悪影響はない」と言い換えます。
*彼らは「無責任」を「責任」と言い換えます。

 というわけで、「原子力安全保安院」とは、普通に通用することばでいえば「原子力危険隠蔽院」であるということになる。実際、この機関が行っていることは、ひたすら現にある危険を隠蔽することのみである。事故が起こってのちも、原子力危険隠蔽院の体質はまったく変わらないことが今朝のニュースを見て、つくづく思い知らされた。こんな原子力危険隠蔽院の連中に、この地震列島の原発54基を任せておいていいのか?よいわけがない。

原子力安全・保安院(=原子力危険隠蔽院)は、東京電力福島第一原発について、施設の老朽化は事故の発生・拡大に影響はなかったとする報告書をまとめました。しかし、専門家からは報告書に異論が相次ぎ、報告書を修正する異例の事態となりました。

 事故を起こした東京電力福島第一原発の1号機は運転開始から40年が経過していることから、老朽化した配管などが地震によって壊れ、事故の拡大につながったのではないかという指摘があることを受け、原子力安全・保安院(=原子力危険隠蔽院)が評価を行ってきました。

 18日開かれた会議で保安院(=危険隠蔽院)は、設備がどの程度の揺れに耐えられるかなどの計算結果から、1号機、2号機、3号機とも老朽化が「事故の発生・拡大の要因になったことはない」とする報告書をまとめました。

 しかし、会議に出席した専門家からは、「老朽化による影響は否定できない」という意見や、「不十分な調査で、この結論には責任が負えない」「実際に現場を確認していないのに影響がなかったと断定はできない」などという意見が相次ぎ、報告書を修正するという異例の事態となりました。(TBSニュース18日23:55)