苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

自然環境と才能

 二年前まで住んでいた長野県南佐久郡は、千曲川の源流域で西は八ヶ岳、東は秩父山系の谷あいの農村地帯である。南佐久郡は、小海町、佐久穂町北相木村南相木村南牧村から成っていて、総人口二万五千人ほどで、急速に過疎の進みつつある地域である。だが、この地は、このところ立て続けに才能を輩出している。
 ひとりは映画『君の名は』の監督新海誠さんである。彼は小海町出身で、以前、私が住んでいたすぐ近所にご実家がある。緑の山々に囲まれた標高800〜900メートルのこの地の風景が彼の描くアニメーションの原風景である。ひとりは宇宙飛行士油井亀美也さんで、彼は川上村の出身である。南佐久郡は水蒸気が少なく、夜は真っ暗になる地域だから、いつも満天の星空である。あの星空が油井さんの宇宙へのあこがれの根本にあると想像する。夜空に星がろくすっぽ見えない地域に育っていたら、彼が宇宙飛行士にはあこがれることはきっとなかっただろう。そして、今回の冬のオリンピックのスケート選手菊池綾香さんは、私の長男の同級生で、北相木村の出身である。南佐久郡は冬は氷点下十五度を下る地域でスケートが盛んな地域なのである。数十年前にもこの地域から冬のオリンピックのスケート選手が出ている。
 自然環境と才能ということを考えさせられた。