今回のインフルエンザの呼び名は、当初、豚インフルエンザとされていたが、米国産豚の輸入禁止措置にでる国が出てきたので、米国商務省の意向で新型インフルエンザと変更するようになったそうである。日本はいつものように、唯々諾々とアメリカ様の言うことにしたがったわけである。
だが、「新型」などという呼び名では、来年になったらもう旧型になってしまうわけで、特定することができないではないか。それとも40年経っても「東海道新幹線」であるように固有名詞的に今回の北米豚インフルエンザのことは10年後も20年後も「新型インフルエンザ」と呼びつづけるつもりなのだろうか。
H1N1型はソ連カゼと呼ばれ、H3N2型は香港カゼと呼ばれていることを考えたら、今回のインフルエンザは、フランスでそう呼んでいるように「北米インフルエンザ」あるいは「北米豚インフルエンザ」と呼ぶのが適当であるように思う。フランスはイラク戦争においてもそうであったが、自国の立ち位置をいつもしっかりと持っている。中国では猪流感と呼ぶ。私はべつにフランス礼賛者・中国礼賛者ではないけれど、国是もなく、なにもかもアメリカに追従するわが国政府やマスコミのありかたを見ると情けない。
他人事ではない。そういえば神学大学からの説明書にも、やたらとアドミッション・ポリシーとかユニバーサル化とか、わけのわからん英語ばかり使うのが耳障りだったので、責任者をしている友人にちょっと文句を言ってしまった。こういうことばは最近の大学という世界の「業界用語」だそうで、つい安易に使ってしまったと反省していらした。すぐ反省できるところが、すばらしい。もっと日本語を大事にしたいし、日本人として、日本の教会としての立ち位置をしっかり自覚したいものだ。それでこそ、日本の教会も公同の教会の一翼を担うことができるであろう。地域に根ざしてこそ、地域を超えることができると宮村節でいうではないか。