苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

アキレウスの腱



 ダビデはナバルが死んだと聞いて言った、「主はほむべきかな。主はわたしがナバルの手から受けた侮辱に報いて、しもべが悪をおこなわないようにされた。主はナバルの悪行をそのこうべに報いられたのだ」。
 ダビデはアビガイルを妻にめとろうと、人をつかわして彼女に申し込んだ。ダビデのしもべたちはカルメルにいるアビガイルの所にきて、彼女に言った、「ダビデはあなたを妻にめとろうと、われわれをあなたの所へつかわしたのです」。
 アビガイルは立ち、地にひれ伏し拝して言った、「はしためは、わが君のしもべたちの足を洗うつかえめです」。
 アビガイルは急いで立ち、ろばに乗って、五人の侍女たちを連れ、ダビデの使者たちに従って行き、ダビデの妻となった。
 ダビデはまたエズレルのアヒノアムをめとった。彼女たちはふたりともダビデの妻となった。 25:44ところでサウルはその娘、ダビデの妻ミカルを、ガリムの人であるライシの子パルテに与えた。
                     サムエル記上25:39-44


 神を愛し、勇猛果敢でリーダーシップがあって人望が厚く、その上、詩をつくり楽器を奏でて歌を歌わせても一流という、文武両道の美男子。英雄になるべくして生まれてきたような男、それがダビデだった。だが、彼にもひとつの弱点があった。それは女性。
 サウル王に宮殿を追われ、妻ミカルを奪い取られだダビデは、アヒノアムそして今度はアビガイルを妻とした。上の箇所にはダビデが別に妻をめとったことに同情的な事情説明と読めて、非難の調子は見えないけれども、同時に、後にダビデが女色をめぐって大きくつまずくことが暗示されているように思われる。