苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

玉川上水

 私は毎月一度は東京渋谷幡ヶ谷の教団事務所に会議のために出かける。緑に恵まれた信州から都心に出ると、人の波と車の波で殺伐たるものでしょう、たいへんですねといわれることがある。だが、実は、そうでもない。玉川上水跡の緑道が、ちょうど新宿駅から幡ヶ谷事務所まで続いているのである。ところどころにかつての橋の名残がある、この小道を朝四十分ほど歩くのが、実に心地よい。
 新宿・渋谷のビル街の谷間にありながら、緑道の木々は季節ごとに美しい顔を見せてくれる。春は相当の樹齢のソメイヨシノの並木が見事であった。四月の会議の合間の昼食は、外にでて花見をしながら実に楽しかった。
 今は新緑の季節。初夏の日差しがつくる木陰を通る緑の風のさわやかなこと。また道のそばにある民家の庭に、丹精された花々を見るのもたのしい。ツツジシャクナゲ、小バラ、テッセン・・・。また初台駅の近くでは、緑道のそばに間口一軒ほどのコーヒーショップやラーメン屋などが軒を連ねた風景がおもしろい。幡ヶ谷駅近くなると、沖縄料理の店がシーサーとかいうマスコットを玄関に一対立てている。新宿、渋谷に用事がある方は、一時間ほど余裕をつくって、一度歩いてみられてはいかが。
 雄大八ヶ岳の唐松林はむろん気持ちいいものだが、ビルの谷間の小道の工夫された緑はそれなりによいものである。いのちあるものは、あれもこれも神の作品。