苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ネメシェギ神父


  今日、福島に所用で出かける往復の車中で、ネメシェギ神父の『矢車草』を読んでいた。宮村武夫先生にいただいたのである。一冊目は『ひまわり』、そして二冊目がこの『矢車草』。ほかに『イエスを仰ぐ』『雪の花』が控えている。ネメシェギ神父の三部作は『神の恵みの神学』『父と子と聖霊』『主の晩餐』であって、前の二冊はすでに読み了えた。
 宮村先生の思想に影響を与えたのは、ジャパン・クリスチャン・カレッジの渡辺公平先生の弁証学と、ゴードンのロジャー・ニコル師と、帰国後のネメシェギ神父の組織神学だとうかがっている。ネメシェギ神父の『ひまわり』そして『矢車草』を読んで、自然と恩寵の二連梯子と言われるトミスムが穏やかなかたちで文章に生きている。そして、それが宮村先生の『存在の喜び』に編まれている文章に響いているのだということに気づいた。葉を一枚残らず落としてしまった冬の木の姿に、あるメッセージを読み取った文章などは、その好例。
 だが、ヴァン・ティルやシェーファーを読んでいた筆者にとっては、どうもそこに疑問があった。そして今も完全に解決はついていない。これからもよく考えて行きたいと思っている。