苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

君主制の対義語は民主制ではなく・・・

 君主制の対義語は、字面を一見すると民主制に見えるが、実際はそうではない。君主制の対義語は、君主の代わりに大統領や主席といったリーダーを立てる共和制である。他方、民主制の対義語は独裁制であるが、むしろ「民主」とか「独裁(専制)」ということばは修飾語「民主的」「独裁的」として用いるのが適切である。

 民主的な君主制もあれば、民主的な共和制もある。民主的な君主制とは、英国やベルギーや戦後日本の立憲君主制制限君主制)を意味している。民主的な共和制とは、たとえば現代ドイツ、フランスや米国などを指す。

 他方、独裁的な君主制もあれば、独裁的な共和制もある。独裁的な君主制とはたとえばフランスのルイ14世のような王権神授説に立つ専制君主制がその典型である。独裁的な共和制とは、たとえば英国のピューリタン革命の時代、フランス革命ジャコバン派が力を持った時期、北朝鮮中華人民共和国スターリン時代のロシアや、カンボジアポルポト政権のような体制である。

 私たちが注意すべきは、王や天皇を排して共和制にすれば、それで自動的に民主的になるわけではないことである。王や天皇というものは伝統の力で国民をまとめるのであるが、共和制における指導者には伝統の力がないので、えてして暴力をもって国民をまとめざるをえないからである。フランス革命ロシア革命毛沢東革命、ポルポト革命などいずれも、百万人単位の自国民を「粛清(殺害)」している。