主イエスは「真理はあなたがたを自由にする」と言われたが、国立国会図書館法前文には、「真理がわれらを自由にする」とある。これは参議院図書館運営委員長であった羽仁五郎さんがフライブルグ大学図書館で目にした銘文に感銘を受けて、ここに記すことにしたものなのだそうで、図書館の玄関にはギリシャ語では「HYMAS(あなたがたを)」とあり、日本語では「われらを」となっている。
昭和二十三年法律第五号
国立国会図書館法
国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。
羽仁五郎さんという人はマルクス主義歴史学者でありつつ、不思議にキリスト教とも強い接点があった人である。奥さんは自由学園の創始者羽仁もと子さん。国立国会図書館創立の趣旨から考えると、国家神道体制下にあって情報統制がされて戦争に突き進んだ過去を振り返りつつ、真理によって国民を過去の縄目から解き放って民主化と平和を実現したいという意味なのだろう。聖書に記されたイエスの語られた本来的な意味ではなく、啓蒙主義的な意味で再解釈している感じである。
本来、ヨハネ福音書8章32節で、主イエスが語られた「真理」とは、イエスご自身を指しており、「自由にする」とは罪と偽りの父である悪魔の奴隷状態から解放するという意味である。イエス・キリストは、罪と偽りの父である悪魔から、私たちを解放する、というのである。