苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ChatGPTには文学的素養が欠けている。だが最大の欠陥は「知ったかぶり」ででたらめ回答をすること。

 ChatGPTで百人一首の歌「恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ想いそめしか」の解釈を求めたら、まったくでたらめの回答が来ました。また、明治の歌人長塚節の一首「垂乳根の母のつりたる青蚊帳はすがしといねつたるみたれども」について質問しても、平安時代の歌であるとまったくでたらめの回答が来ました。また前川清さんが歌った「長崎は今日も雨だった」の「雨」は何を指しているかと問うたら、あくまでも気象としての雨だと頑張ってました。実際には、涙の隠喩。

 ChatGPTはせめて歴代の高校までの現代国語・古文・漢文程度のスタンダードな知識は入れておいてもらわないと使い物にならないようです。
 というわけで、特に日本の文学作品の解釈、聖書の釈義といったことはまったく情報不足なので、無理なようです。ある意味、ほっとしましたが。
 しかし、それ以上にChatGPTの決定的な欠陥は、自分がわからない場合、知らない場合、「わかりません」「知りません」という回答をせず、聞きかじったことに基づいて、もっともらしくでたらめの回答をすることです。相談者の側に予備知識のない分野の場合、こういうもっともらしく書かれたでたらめの回答を真に受けてしまう危険性が大いにあるので、使い物になりません。ソクラテスではありませんが、無知の知が大事なんだなあと思った次第です。

 日本文学についてはほとんど常識がなく、例えば、誰でも知っている小林一茶の俳句について、こんなデタラメ回答を出しました。

質問 「雀の子そこのけそこのけおうまがとおる」はどういうものですか?
回答「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」という歌は、日本の童謡の一つで、子どもたちが遊びながら歌う歌のひとつです。歌詞は、「雀の子そこのけそこのけ、お馬が通る、ひょいで飛べば すぐそこ」というもので、手拍子や体を動かしながら歌うことが一般的です。
この歌には、子どもたちが遊びながら協力することの大切さや、自然や動物に対する親しみが表現されていると言われています。また、この歌は、日本の文化の中で長く愛されており、さまざまなバージョンやアレンジが存在することでも知られています。