大学院時代の先輩の出村さんが、岩波新書からアウグスティヌスの生涯をていねいに平明な文体で描く本を出されました。アウグスティヌスというのは、古代教父(教会の父の意味)として代表的な人物です。『告白』で有名で、私も大学時代にわからないながらも読みました。ですが、出村さんの書いたこの本を読めば、『告白』の時代と地域の背景がよくわかります。
これを読まれてさらに関心を持たれた方には、アウスグスティヌス伝としては、P.ブラウン『アウグスティヌス』(教文館)をお勧めします。これも出村訳です。北アフリカとイタリア半島の地中海の乾いた空気、強い日差しを感じて、彼の著作が読めるようになると思います。