苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

若者の犯罪件数は激減している

 戦前世代は教育勅語でしっかり道徳教育されていたから立派だったが、戦後世代は、そのたがが外され、現代ますます少年犯罪がふえているという幻想を抱いている人たちがいるようです。それは単なる作り話です。戦前の少年犯罪は、実は、すさまじいものがあります。戦後よりもっとおぞましい事件もたくさんあります。下のリンク先には、「戦前の少年犯罪」が紹介されています。
http://kangaeru.s59.xrea.com/senzen.htm
 当時は、日本国民全体、学校の先生までが、中国人、朝鮮人ヘイトスピーチを投げつけ、米国人や英国人は鬼畜とまで呼んで良心に呵責を感じる人がほとんどいないような時代だったのです。戦地では人を殺し、殺され、破壊活動をし、婦女暴行も横行していたような時代です。戦地から帰ってきたお父さんたちが、正常な精神や価値観でいることは難しかったのです。私の知り合いにも戦地から帰って来て人が変わってしまった父親が、母親に暴行を加えるので、それを毎日止めるために自分が毎日殴られていたと話していた人がいます。彼自身、ひどく心を病んでしまっていました。そうしたお父さんに殴られていた子どもたちが、穏やかな青年に育つ道理もありません。戦前が「美しい国」だったなどと言えるのは、他人を戦争に行かせることはあっても自分は行く必要もなく、むしろ戦争で金儲けをしていたごく一部の特権階級に属する人々だけです。


 また、最近、日本会議とかに属するオッサンやジイサンたちが「近頃の若い者はなっちょらん」というわけで、教育勅語を教えて愛国心を叩き込めば社会は良くなると言っていますが、こんなセリフは古代エジプト以来、オッサンたちがずっと言ってきた言葉です。今、そんな「近頃の若い者は・・・。」などと言っている戦後ベビーブーム世代が少年であったころが、実は少年犯罪件数が多かった時代なのです。むしろ、現在、若者たちの犯罪件数は激減しています。逆に、そういうオッサンというかジイサンたちの世代の犯罪が増えているのです。筆者自身は、1958年生まれで、そういう世代の最後の端っこで臭いだけ知っているあたりのオッサンです。オッサン・ジイサンたちこそ、反省せんといかんわけです。でないと、「まったく近頃のオッサンやジイサンたちは!」と若者に呆れられてしまいます。