苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

必見 ワイマール憲法から学ぶ自民党憲法草案緊急事態条項の危うさ

 リンク先、ぜひご覧ください。
http://www.dailymotion.com/video/x3yonfg

 もっとも民主的なワイマール憲法の時代に、なぜナチスが出現しえたのか?とはよく問われることなのですが、実は、近代民主主義的な国家の構造こそが全体主義成立の基本的条件なのです。
 中世の社会、近世の社会にあっては、王の下に領主階級がいて、領主たちはそれぞれに領民をかかえていました。領民たちにとっての殿様はそれぞれの領主さまであって、王様は遠い存在でした。近代国家においては、この中世的な封建領主という中間層がなくなって、民は直接中央政府と結びつくようになりました。ここに、国民というものも、愛国心も、国民教育も成立しました。そして中央政府が暴走すれば、国民全体がいっしょに暴走するのです。つまり、全体主義。だから、全国民が法の前に平等だという近代民主主義国家にあってこそ、ナチス全体主義は出現しえたといえるのではないかと思います。
 ですから、王様がいた昔じゃあるまいし、この時代に全体主義など実現しないだろうなどと的外れな楽観主義はやめて、民主主義の国だからこそ独裁化・全体主義化しないために、強力なくさびを打ち込まねばなりません。