苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン12月22日  在留異国人を虐げるな

レビ19:33
口語訳>
もし他国人があなたがたの国に寄留して共にいるならば、これをしえたげてはならない。

新改訳>
もしあなたがたの国に、あなたといっしょに在留異国人がいるなら、彼をしいたげてはならない。

新共同訳>
寄留者があなたの土地に住んでいるなら、彼を虐げてはならない。


 クリスマスの季節である。マタイ福音書を開くと、1章の主イエス系図の中には、ラハブ、ルツといった異邦人の女性の名が特筆されている。2章の主イエスの誕生を祝いに来たのは、はるか東方からやってきた異邦人の賢者たちであった。そして、巻末には、「あらゆる国の人々を弟子としなさい」という主イエス大宣教命令が記されている。マタイ伝はユダヤ人のために記された福音書といわれるし、系図などは典型的にそうした性格をあらわしている。だが、ユダヤ人に対して、福音は異邦人にも向けられているということを強く示唆している。
 マタイ福音書1章の系図にはもう独りの異邦人らしき名が見える。「ダビデにウリヤの妻によってソロモンが生まれ」というくだりである。ウリヤはヘテ人であったとサムエル記にはある。ヘテ人でありながら、軍人としてダビデに抱えられていたらしい。
 カナンの地は三つの大陸のつなぎめのような場所なので、在留異国人とどのようにともに生きるかということが大昔からの大事な課題だった。神は、在留異国人を虐げるなと命じる。在留異国人に対するヘイトスピーチを容認しているような国は早晩、神の罰を受ける。