苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン11月7日,8日 在留異国人

レビ記19章34節
口語訳
あなたがたと共にいる寄留の他国人を、あなたがたと同じ国に生れた者のようにし、あなた自身のようにこれを愛さなければならない。あなたがたもかつてエジプトの国で他国人であったからである。わたしはあなたがたの神、主である。


新改訳
あなたがたといっしょの在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれたひとりのようにしなければならない。あなたは彼をあなた自身のように愛しなさい。あなたがたもかつてエジプトの地では在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、【主】である。


新共同訳
あなたたちのもとに寄留する者をあなたたちのうちの土地に生まれた者同様に扱い、自分自身のように愛しなさい。なぜなら、あなたたちもエジプトの国においては寄留者であったからである。わたしはあなたたちの神、主である。

 エジプトを脱出して約束の地へと向かう民に、この戒めが与えられた。この直接的な文脈でいうと、在留異国人というのはエジプト人でありながら、モーセに啓示を与えてくださった神こそまことの神であるという信仰を得て、故郷を捨てて約束の地へと向かう荒野の旅についてきた人々なのだろう。また、約束の地に到着し、そこにひとつの国を建てる日が来たなら、そこにともに暮らす外国人にも愛を注げという命令である。
 在留異国人は、みなしご、やもめとともに、主なる神の格別のあわれみの対象であった。みなしご、やもめ、在留異国人の扱いは、神がイスラエルという国の健全性を測るものさしであった。神は桃太郎侍のようなお方で、弱い者いじめが大嫌いなのだ。「在留異国人」をキーワードに少し列挙してみる。

出エジプト記に次のようにある。

22:21 在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない。あなたがたも、かつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである。
22:22 すべてのやもめ、またはみなしごを悩ませてはならない。
22:23 もしあなたが彼らをひどく悩ませ、彼らがわたしに向かって切に叫ぶなら、わたしは必ず彼らの叫びを聞き入れる。
22:24 わたしの怒りは燃え上がり、わたしは剣をもってあなたがたを殺す。あなたがたの妻はやもめとなり、あなたがたの子どもはみなしごとなる。

こちら、レビ記。在留異国人の生活保障。

23:22 あなたがたの土地の収穫を刈り入れるとき、あなたは刈るときに、畑の隅まで刈ってはならない。あなたの収穫の落ち穂も集めてはならない。貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、【主】である。」

こちら民数記

15:15 一つの集会として、定めはあなたがたにも、在留異国人にも、同一であり、代々にわたる永遠の定めである。【主】の前には、あなたがたも在留異国人も同じである。

こちら、申命記

10:17 あなたがたの神、【主】は、神の神、主の主、偉大で、力あり、恐ろしい神。かたよって愛することなく、わいろを取らず、
10:18 みなしごや、やもめのためにさばきを行い、在留異国人を愛してこれに食物と着物を与えられる。

こちらゼカリヤ書。エルサレムが主によって滅ぼされた理由のひとつは、みなしご、やもめ、在留異国人を不公正に扱ったからである。

7:9 万軍の【主】はこう仰せられる。「正しいさばきを行い、互いに誠実を尽くし、あわれみ合え。
7:10 やもめ、みなしご、在留異国人、貧しい者をしいたげるな。互いに心の中で悪をたくらむな。」
7:11 それなのに、彼らはこれを聞こうともせず、肩を怒らし、耳をふさいで聞き入れなかった。
7:12 彼らは心を金剛石のようにして、万軍の【主】がその御霊により、先の預言者たちを通して送られたおしえとみことばを、聞き入れなかった。そこで、万軍の【主】から大きな怒りが下った。
7:13 「呼ばれたときも、彼らは聞かなかった。そのように、彼らが呼んでも、わたしは聞かない」と万軍の【主】は仰せられる。
7:14 「わたしは、彼らを知らないすべての国々に彼らを追い散らす。この国は、彼らが去ったあと、荒れすたれて、行き来する者もいなくなる。こうして彼らはこの慕わしい国を荒れすたらせた。」

 在留異国人へのヘイトスピーチを黙認し、みなしご、やもめの生活困窮にはめもくれない国は滅ぼされる。為政者のために、祈ろう。