民数記14章19節
口語訳
「どうぞ、あなたの大いなるいつくしみによって、エジプトからこのかた、今にいたるまで、この民をゆるされたように、この民の罪をおゆるしください」新改訳
「あなたがこの民をエジプトから今に至るまで赦してくださったように、どうかこの民の咎をあなたの大きな恵みによって赦してください。」新共同訳
「どうか、あなたの大きな慈しみのゆえに、(また、エジプトからここに至るまで、この民を赦してこられたように、)この民の罪を赦してください。」
カデシュバルネア。十二部族の長が約束の地の偵察から帰って、かの地には巨人族が住んでおり、自分たちは彼らの前ではイナゴのように踏みしだかれるだけだろうといった報告をしたところ、イスラエルの民はモーセを殺して、別の指導者を立ててエジプトに帰ると言い出した。と、ついに堪忍袋の緒が切れて、主はイスラエルを滅ぼす。代わりにモーセの子孫を増やして神の民としてやろう、とモーセに持ちかける。「ほう、それはいいですね。」とモーセは言わなかった。かえって、そのとき、モーセは命がけで怒りに燃える主の前に立ちふさがって、民のためにとりなしの祈りをささげた。その末尾が本日のみことば。
「あなたの慈しみゆえに」「あなたの大きな恵みによって」の「慈しみ」「恵み」と訳されることばはヘセド。神ご自身がイスラエルに対して結ばれた恵みの契約への真実ゆえに、という意味である。「イスラエルの民にもいいところがあるのですから」と、人の取り柄を根拠とする祈りは弱弱しいものとなってしまうが、主ご自身の真実に訴える祈りは強力である。主の真実は揺るぐことがないから。