苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン5月5日  いなご

ヨエル書2章26節

汝らは食ひ食ひて飽き よのつねならずなんぢらを待ひたまひし汝らの神ヱホバの名をほめ頌へん (文語訳)

あなたがたは、じゅうぶん食べて飽き、
あなたがたに不思議なわざをなされた
あなたがたの神、主のみ名をほめたたえる。(口語訳)

あなたがたは飽きるほど食べて満足し、
あなたがたに不思議なことをしてくださった
あなたがたの神、【主】の名をほめたたえよう。(新改訳)

お前たちは豊かに食べて飽き足り、お前たちの神なる主の御名を、ほめたたえるであろう。(新共同訳)
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この一節だけとりあげると、なんだか飽食礼賛のような印象をもつ。だが、預言者ヨエルの書はこの2章末尾に来るまで暗い。非常に暗い。
「主の日が来るからである。それは近い。これは暗く、薄暗い日、雲の群がるまっくらな日である。多くの強い民が暗やみのようにもろもろの山をおおう。」この暗闇をもたらすほどの多くの強い民とは飛蝗である。飛蝗の黒雲は突如、轟音とともに押し寄せ、地にある緑という緑をガシガシという恐ろしい音とともにすべて食いつくし、かつ、その地に産卵をするから飢饉は数年間に及ぶ。
 その絶望的な飛蝗による飢饉の後に、主は「滅ぼすいなご、かみ食らういなごの食った年をわたしはあなたがたに償う。」とおっしゃって、本日の豊かに食べて飽きたり、主を讃美するというみことばに展開する。しかも、その後、世界の畑の収穫の季節の到来を告げるペンテコステに成就する聖霊の注ぎの預言に続く。

「 2:28その後わたしはわが霊を
すべての肉なる者に注ぐ。
あなたがたのむすこ、娘は預言をし、
あなたがたの老人たちは夢を見、
あなたがたの若者たちは幻を見る。
2:29その日わたしはまた
わが霊をしもべ、はしために注ぐ。
2:30わたしはまた、天と地とにしるしを示す。すなわち血と、火と、煙の柱とがあるであろう。 2:31主の大いなる恐るべき日が来る前に、日は暗く、月は血に変る。 2:32すべて主の名を呼ぶ者は救われる。」(口語訳)

 どこまでも暗い飛蝗の襲来による不毛の年年の後、光に満ちた豊かに雨が注ぎ収穫の年年が到来。その預言と、聖霊の雨の注ぎと世界への福音の拡大とが二重写しにされていく。ヨエルの預言はなんとも劇的。