ひとりメルケル訪日の意味を正しく書いた週刊フライデー
2015年03月14日 天木 直人メルケル独首相の訪日は安倍首相にとって痛烈な衝撃だったに違いない。
なにしろ脱原発と歴史認識の二つについて正面から異議を唱えたからだ。
ところが、日本の大手メディアはまったくそのことを書かない。
書いても、過小評価するか、遠回しに言及するかだ。
そんな中で、きのう発売された写真週刊誌フライデーは、「メルケルが安倍に突き付けた『脱原発』と『歴史認識』」という見出しの大きな記事をトップに掲げた。
その記事は、首相公邸で行われた歓迎晩餐会を終え、メルケル首相一行を見送った安倍首相は、疲れた表情を浮かべ、早々と自室に戻っていった、晩餐会の直前に行われた首脳会談がよほどこたえたのだろう、という官邸関係者の証言から始まる。
そして次のように警告を発している。
メルケル首相は思いつきで発言しているわけではない。世界の首脳の日本への危惧を代表して発言しているのだ。しかし日本の反応はあまりにも鈍かった。岸田外相と菅官房長官は、それぞれ記者会見でメルケル発言に反論している・・・
このフライデーの記事で注目すべきは6月にドイツでG7(主要国首脳会議)が開かれることを我々に想起させているところである。
つまり今度のメルケル独首相の訪日は、単に日独二国間関係のために訪日したのではなく、G7の議長国として訪日したのである。
安倍官邸はそのことに気づかねばいけない。
安倍首相の不機嫌さは、自らの政策を批判されたことから来ているのではなく、主要国から見放される危惧に気づき始めたからではないのか。
そうであればまだ正気があるということだ。
正気のあるうちに政策を変えたほうがいい(了)