ハバクク書2章6節
「ああ。自分のものでないものを増し加える者。
──いつまでだろうか──
その上に担保を重くする者。」
「わざわいなるかな、
おのれに属さないものを増し加える者よ。
いつまでこのようであろうか。
質物でおのれを重くする者よ」。(口語訳)
己に屬せざる物を積累ぬる者は禍なるかな 斯て何の時にまでおよばんや 嗟かの質物の重荷を身に負ふ者よ(文語訳)
災いだ、自分のものでないものを、増し加える者は。
いつまで続けるのか重い負債を自分の上に積むものよ。
(新共同訳)
ここにいう担保、負債、質物といわれるものとは何のことだろう。8節以降に次のように記される。
2:8 あなたが多くの国々を略奪したので、
ほかのすべての国々の民が、あなたを略奪する。
あなたが人の血を流し、
国や町や、そのすべての住民に
暴力をふるったためだ。
2:9 わざわいだ。
自分の家のために不正な利得をむさぼり、
わざわいの手からのがれるために、
自分の巣を高い所に据える者。
2:10 あなたは自分の家のために恥ずべきことを計り、多くの国々の民を滅ぼした。
あなたのたましいは罪を犯した。
(中略)
2:12 わざわいだ。
血で町を建て、不正で都を築き上げる者。
「あなた」と呼びかけられているのは侵略者バビロンである。他国、他民族の血を流し、富を奪い取り、それをもって繁栄を謳歌している帝国主義的国家である。繁栄するバビロンは、他国民たちの血によって築かれた。しかし、最後の審判の被告席に立たされるとき、その富と繁栄は彼にのしかかる負債となる。
バビロンだけではない。帝国主義列強の「花の都」はたいてい、いやことごとく植民地人たちの血と不正で築かれたものであろう。人の目を驚かせる繁栄は、しばしば、神の前では罪であり、裁きの日の負債なのだ。
イエスが、宮から出て行かれるとき、弟子のひとりがイエスに言った。「先生。これはまあ、何とみごとな石でしょう。何とすばらしい建物でしょう。」すると、イエスは彼に言われた。「この大きな建物を見ているのですか。石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。」(マルコ13:1,2)